グラクソ・スミスクライン 2011年度業績発表 実質成長率*が引き続き増加、研究開発が前進、株主への還元が向上 2011年の実質売上は4%増(会計上の売上は3%減)、 リストラクチャリング・コストを除いた一株当たり利益**は114.1ペンス、配当は75ペンス

2012年2月7日英国ロンドン発

グラクソ・スミスクラインplc(GSK)は2月7日(ロンドン現地時間)、2011年度の業績を発表しました。概要は以下の通りです。

 

2011年度業績結果**(リストラクチャリング・コストを除く)
  2011   Q4 2011  
  £m CER% £% £m CER% £%
売上 27,387 (3) (4) 6,978 (2) (3)
一株当り利益 114.1p >100 >100 28.4p >100 >100
業績結果(リストラクチャリング・コストを含む)
  2011   Q4 2011  
  £m CER% £% £m CER% £%
売上 27,387 (3) (4) 6,978 (2) (3)
リストラクチャリング・コスト 590     200    
一株当り利益 104.6p >100 >100 25.2p >100 >100
 

単位:£mは百万英ポンド、pは英ペンスを表す

*実質成長率は、新型インフルエンザ関連製品、「アバンディア」および「バルトレックス」を除いた成長率です。
**リストラクチャリング・コストを除く業績では、グループの業績を評価するために、2007年10月に開始した新しいオペレーショナル・エクセレンス・プログラムに関係する組織改定や2007年12月に行なったReliant Pharmaceuticalsの買収および2009年7月に行ったStiefelの買収に伴う費用を除いた指標で発表を行っています。これらの事項を含んだ業績は、その規模と性質のため、比較対照する数値としての意味が限定されてしまいます。従って、除いたものの方が、株主にとってGSKグループの業績を把握しやすくなり、将来の業績を予測しやすくなると判断しています。グループの業績は、CERベース(恒常為替レート:業績をポンド換算する為替レートが前年同期と同じと仮定した場合の伸び率を表わす)で表示されます。業績の解説は特別に明示されていない限り、CERベースにより示されています。
***コアとなる事業の業績報告:2011年12月1日に発表した通り、2012年第1四半期よりGSKグループは、営業利益および一株当り利益について、コアとなる事業に関する指標を報告することとします。この目的は、無形資産の減損や訴訟関連費用および資産売却による利益・損失など様々な事項から派生する不安定要素を取り除くためで、その結果、GSKのコア・ビジネスの実質的な業績を把握しやすくなり、また、多くの競合他社の業績とも比較しやすくなると考えています。

2011年度業績概要
  • GSKグループの実質売上は4%の成長、幅広い製品ポートフォリオとミックスを反映
    • 医療用医薬品およびワクチンは4%増(医療用医薬品2%増、ワクチン11%増)、コンシューマーヘルスケア5%増。
    • グループ全体の成長は新興市場(15%増)、日本(28%増)、アジア・パシフィック(10%増)がけん引したが、米国(横ばい)および欧州(4%減)が相殺した。
    • 2011年の会計上の売上は3%減。2011年の下半期は、向かい風となっていた要因が減少し1%増。
    • 新製品の売上は47%増の25億ポンド。2011年に3つの新製品が承認を獲得。
  • 研究開発の投資収益率が向上、開発パイプラインが前進
    • 2011年の初めにハイライトされた、フェーズ3開発段階にある15品目のうち9品目のデータを入手。
    • 4つの品目は、2012年に申請するためのデータが社内に揃う:Relovair(COPD)、 Promacta (C型肝炎)、MEK阻害剤(メラノーマ)、 Qflu(インフルエンザ4価ワクチン)。
    • R&Dの投資収益率が現在最大12%と推定(2010年の2月は最大11%)。
    • DPU(ディスカバリー・パフォーマンス・ユニット=数名から数十名の研究者から成る小規模研究ユニット)レビューが終了:最大30の新薬が今後3年間で後期開発段階に進む予定。
  • 引き続きコストマネジメントと財務の効率化の実現に注力
    • リストラクチャリング・コストを除く営業利益は84億ポンド。訴訟関連費用および営業外収支を除く営業利益率は29.0%。
    • リストラクチャリングによるコスト削減は3億ポンドを確認。2014年までに合計28億ポンドのベネフィット。
    • Quest社の売却の影響を除く2011年の税率は、26.2%に削減。
  • 強固なキャッシュ創出力および株主への還元の向上
    • 訴訟関連費用を除く営業活動による調整後の純キャッシュインフローは77億ポンド。
    • 長期的自社株買い付けプログラムの一環として22億ポンドの自社株買い付けを実行。
    • 2011年の配当は75ペンスで、普通配当が8%増の70ペンス(第4四半期は11%増の21ペンス)、2012年1月の北米におけるOTCブランドの導出に関連する追加配当5ペンスが含まれる。
  • 2012年の見通し
    • 2012年は、実質売上の成長が会計上の売上成長に反映されてくる見込み(CERベースで)。
    • 2012年に6つの薬剤とワクチンがフェーズ3開発プログラムを完了予定: Relovair (喘息)、持続型β2受容体作動薬(LABA)/持続型ムスカリン拮抗薬(LAMA)配合剤、albiglutide(2型糖尿病)、BRAF(メラノーマ)、dolutegravir(HIV感染症)およびMosquirix(マラリアワクチン)。
    • コア***となる事業の営業利益率は、2012年から徐々に改善の見込み。
    • 2012年は、引き続き普通配当の増加と10-12億ポンドの自社株買い付けを予定。

GSKの戦略課題

GSKは、成長の促進、リスクの削減、長期的財務業績の向上を目指して3つの戦略課題の遂行に取り組んでいます。

  • ビジネスを世界規模で多様化させ、成長させる
  • より多く、価値のある製品を届ける
  • 制度・仕組みの簡素化をはかる

CEOレビュー

3年半前に私たちは、直面する様々な市場におけるチャレンジに対応し、持続可能な財務業績を達成し、患者さんや消費者に新たな価値を提供できる、よりバランスの取れたビジネスの構築を目指し、GSKを根本から改革することに着手しました。

2011年の業績は、私たちの取り組みが成功していることを示しています。2011年の実質売上の成長は4%となり、強固なキャッシュ創出力を達成、研究開発も大きく前進し、普通配当を8%増加することに加え、5ペンスの追加配当と、22億ポンドの自社株式の買い付けを実行し、株主への還元を向上させました。私たちは2011年に、合計56億ポンドのキャッシュを株主に還元したことになり、これは対2010年で75%増です。

2012年は、現在の世界の政治・経済情勢を鑑みると、直面し得る様々な圧力に留意しながら取り組んでいきますが、私たちは、幅広い全てのビジネスにおいて売上成長を追求し、強固なキャッシュ創出のために事業を強化し、財務の効率化を図っていくことで、株主への還元を更に高めていけると考えています。また、リターンについては厳格な基準を設け、持続可能で収益の高い売上成長を達成する事業への適切な投資を行っていきます。

2012年は、研究開発組織から更なる成果を見込んでいます。昨年述べた後期開発段階にある15の薬剤・ワクチンのうち9つのデータを入手することができたことを嬉しく思います。更には、1つは既に承認申請され、3つは申請準備段階にあります。加えて15の中に含まれていないインフルエンザ4価ワクチンは、開発が迅速に進み、間もなく承認申請する予定です。また、今年6つの新薬と適応症がそのフェーズ3開発プログラムを完了する予定です。これらは、GSKには開発パイプラインを継続的に充実してく力が備わっていることをますます示すものです。

実質成長率が、幅広い製品のポートフォリオとミックスを反映
2011年の実質売上成長は、医療用医薬品(2%増)、ワクチン(11%増)、コンシューマーヘルスケア(5%増)と幅広い全ての事業で好業績を収めたことに起因しました。

通年では、当然四半期ごとに変動はありました。例えば、第4四半期の実質売上1%減は、特に2011年におけるワクチンの売上のばらつきがあった一方で、2010年第4四半期はワクチンの売上が特に好調だったため、その比較の影響を受けました。

2011年全体を見ますと、会計上の売上の推移は予想していたとおりでした。上半期の売上6%減が、下半期では1%増となり、「アバンディア」、「バルトレックス」および新型インフルエンザ関連製品の売上減少という向かい風の影響が弱まったことが明らかとなりました。

これは、特に欧米において後発医薬品の圧力の影響を受けにくい、よりバランスの取れたビジネスを構築するために取ってきた様々な変革を反映しています。2011年は、売上の38%を欧米以外の市場が占め、全体の売上に欧米先進国市場における、後発品の影響を受け易い錠剤等が占める売上の割合が2007年には40%だったのに対して、22%未満となりました。

この業績は、欧州やいくつかの新興市場で続いている経済的圧力と政治不安により消費需要と政府による購入が落ち込んでいるにも関わらず達成されました。欧州における製品価格への圧力が、2011年は同地域の実質売上に約5%(約3億2000万ポンド)のマイナス影響を与えました。2012年も同様な影響を見込んでいます。このような非常にチャレンジングな環境の下、健闘している欧州のマネジメントチームを評価したいと思います。

新興市場においては、製品価格への更なる圧力は否定できません。しかし、これまでの投資と既存ビジネスを補完する買収活動の結果、新興市場/アジア・パシフィック(EMAP)地域は、市場を上回るペースで成長していくことを引き続き期待しています。

GSKは、新興市場では、医療用医薬品、ワクチン、コンシューマー製品の全てにおいて購入しやすいインターナショナルなブランドを確立しています。

これにより、プロモーション、販売、流通の全てにおいて相乗効果を推進することにより、価値を創出するための競争上の高い優位性と機会を得ることができます。インド、中国、メキシコ、トルコで行っているRx/Cxのコラボレーションが、新興市場で高い売上増と利益増を達成することができる一例であることを示しています。

日本は、2011年、極めて高い業績を達成しました。日本は革新性が評価される市場で、GSKは、非常に高い発売成績を収めています。ここ3年間で日本における売上は、35%増加し、8つの新製品を発売しました。この中には、特に公費助成の導入に伴い2011年に非常に好調だった「サーバリックス」が含まれています。今後3年間は、10の新薬とワクチンを含む25以上の適応拡大製品を発売する予定です。この業績と見通しは、日本のマネジメントチームの努力によるもので、そのことにより今や日本は、GSKグループの成長機会の先頭に立つ市場となりました。

米国も日本同様、革新性を重んじる環境にあります。米国では、多くの製品が特許期間満了を迎えましたが、この時期は今や終わりつつあり、ディアドラ・コノリーのリーダーシップの下、オンコロジーなどの新規成長分野に資源を投入するために米国ビジネスを再建し、プライマリーケア領域におけるプレゼンスを高めてきました。また、支払いの環境変化に応じたコマーシャル組織に再編しました。2011年の上半期の会計上の売上は、8%減で、下半期では1%減でした。私たちは、今後米国ビジネスがより良い業績を達成していける位置に立っていると確信しています。

GSKは、ここ2年間4%の実質売上年間成長率を達成しています。環境は依然としてチャレンジングですが、2012年は実質売上の成長が会計上の売上に反映されてくることを見込んでいます。ワクチンの入札時期にばらつきがあったり政府の価格政策が変わったりすることで、四半期ごとに変動することは常にありうることです。2012年の会計上の売上は、非主要OTCブランドの導出の影響を当然ながら反映します。

研究開発の投資収益率の向上と、開発パイプラインの前進
私たちの戦略の重要な要素に、研究開発の投資収益率の向上と生産性の向上があります。私たちは、これらを向上させるための最適なモデルを有しているとこれまで以上に確信しています。

2011年GSKは、Benlysta、Trobalt、Horizantの3つの新製品の承認を獲得しました。2008年以降、米国で16の新薬とワクチンの承認を取得し、うち11が新規化合物で、これはどの競合他社よりも多い数です。

また2011年は、開発パイプラインの見通しという意味でも重要な年となり、後期開発段階にある9品目のデータを発表しました。現在4つの医薬品とワクチンを今年申請するべく準備中です。この4つとは、Promacta(C型肝炎)、Relovair (COPD)、インフルエンザ4価ワクチン、メラノーマの新たな治療薬となり得るMEK阻害剤であり、MEK阻害剤はフェーズ3臨床試験の主要エンドポイントを達成したことを本日お知らせできることを嬉しく思います。

1型糖尿病に対するotelixizumabの開発が中止されるなど脱落した品目ももちろんありますが、全体的には前進した品目と脱落した品目とのバランスはGSKにとってプラスでした。

2012年は、更に6つの後期開発段階品目の開発プログラムを完了する予定です。これらは、Relovair (喘息)、持続型β2受容体作動薬(LABA)/持続型ムスカリン拮抗薬(LAMA)配合剤、albiglutide, BRAF, dolutegravirおよびMosquirixです。Relovairは、呼吸器領域における8つのフェーズ2b/3開発プログラムのうちの一つです。また、LABA/LAMAのフェーズ3開発プログラムへの患者登録が完了しました。新たなフェーズ2データは社内にあり、進行中のフェーズ3臨床試験における用量設定をサポートします。

研究開発の投資収益率の向上に引き続き取り組んでいます。2010年に、最近発売された製品と現在後期開発にある製品への投資収益率の見通しを分析した結果、投資収益率は約11%でした。同じ方法を用いて現時点の計算をしたところ、研究開発の投資収益率は12%に増加し、これは、非常に励みとなると同時に、同期間における後期開発パイプラインが前進したことと、目標としていた研究開発の固定費削減の達成を反映しています。投資収益率を約14%に向上させるという長期目標達成に向けて順調に推移しています。

2008年に設立されたDPUモデル(ディスカバリー・パフォーマンス・ユニット)は、研究開発の効率化を推進していく戦略の重要な一環でした。これらのユニットは、5-70名の研究者から編成されており、それぞれ一つの疾患または経路に特化しています。過去3年間、多くのDPUを訪れましたが、ユニットの研究者が示すエネルギー、アプローチおよび生産性に非常に満足しています。

計画通り、GSKのR&Dシニアリーダーとベンチャー・キャピタルやバイオテク/ファーマ投資に携わっている社外の人々から成る委員会により、全てのDPUの業績と資金提供が評価されました。私たちのアプローチは、投資収益率のポテンシャル、科学的な品質と機会を評価するものです。これは、創薬研究への新たな投資配分につながるもので、その結果、4つの新たなDPUが作られ、3つが閉鎖されました。残りのDPUのうち6つは投資が増加され、5つは投資が減少されました。

レビューの結果、今後3年間で、新たに30の品目を後期開発(一般的にフェーズ2b)に移行できると考えています。この生産性の向上は、GSKがその後期開発パイプラインを、コストの増加をせずに持続的に充実していけることを意味します。DPUに関する更なる情報は、3月29日に開催予定の投資家向けミーティングでお知らせする予定です。

コスト管理、事業の強化、財務の効率化に注力
売上の増加に伴う営業利益、利益、キャッシュの創出を最大限に高めるために、全社に渡り引き続きコストベースを管理し、財務の効率化を図っていきます。先に述べたように、2012年はコア・ビジネスの営業利益率が徐々に改善していくことを見込んでおり、今後2年から3年で更に向上していくでしょう。もちろんその率と改善の度合いは、ビジネスのミックスと、革新性が評価され高い利益が見込まれる市場において売上を成長させる開発パイプラインの実現に左右されます。

コスト管理の面では、進行中のオペレーショナル・エクセレンス・コスト削減プログラムにより約3億ポンドの年間削減を確認しました。これにより3億5000万ポンドの追加コストで2014年までに合計28億ポンドの年間削減を達成する見込みです。このプログラムによりこれまで22億ポンドの年間削減を実現しました。

また、財務の効率化で利益率に更に貢献することができました。2011年、当初の予定よりも早くグローバル税務戦略を、変化しつつあるビジネスに合わせることができたため、Quest社の売却の影響を除く2011年の税率は、26.2%に削減されました。GSKグループのコア・ビジネスの税率は2014年までに約25%削減できると見込んでおり、2013年までに全体の正味資本調達平均コストを6%以下に削減できる予定です。

キャッシュ創出力および株主への還元の向上に引き続き注力
GSKは、引き続き高いキャッシュ創出力を維持しています。2011年、訴訟関連費用を除く営業活動による調整後の純キャッシュインフローは77億ポンドで、調整後のフリーキャッシュフローは56億ポンドでした。フリーキャッシュフローは41億ポンドでした。

今後は、リストラクチャリングのために必要とされる現金支出が減少し、2012年以降、既存の訴訟関連事項の解決に必要なキャッシュの需要が減っていく中、フリーキャッシュフローを高めていけるでしょう。

また、運転資金向上プログラムを通じてキャッシュ・コンバージョンを高める大きな機会が引き続きあると考えます。2011年、この分野で進展を見せ、キャッシュ・コンバージョン・サイクルを221日から210日に短縮し、売上に対する運転資金の比率を23%から21%に削減しました。

資金配分については、株主に最も還元できるところに引き続き配分しています。私たちは、フリーキャッシュフローを活用して、配当を増加し、自社株の買い付けを行い、あるいはリターンがより魅力的であれば、ビジネスを強化するための買収に投資していくことに取り組んでいきます。

2011年私たちは、フリーキャッシュフローと資産売却による収入を全て、配当および自社株の買い付けで株主に還元しました。34億ポンドの配当を支払い、第4四半期の普通配当を21ペンス、年間の普通配当を8%増の70ペンスに決定しました。

2011年に、長期プログラムの一環として22億ポンドの自社株買い付けを完了し、現在の市場状況から2012年は10億から20億ポンドの自社株買い付けを予定しています。

これら2つとは別に、北米における非主要OTCブランドの売却による純利益を、5ペンスの追加配当として株主に還元することに決めました。これは、第4四半期の普通配当と共に支払われます。

残りのノンコアの資産については、買い手候補と現在積極的に協議しており、これらが売却された暁にはその純利益を株主に還元する意向です。

最後に、GSK社員をはじめ世界各国で連携している多くのパートナーに、その素晴らしい貢献とサポートに感謝の意を表したいと思います。皆さんのおかげで、2011年は大きな成功を収めることができ、2012年以降の成長と業績達成のための新たな機会を見出すことができました。

CEO アンドリュー・ウィティー

 

 

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