GSK、中国Hansoh社とHS-20089に関する独占ライセンス契約を締結

この資料は、英国GSK plcが2023年10月20日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2023年10月20日 英国ロンドン発>

GSK、中国Hansoh社とHS-20089に関する独占ライセンス契約を締結

  • HS-20089によりGSKの婦人科がん治療薬のポートフォリオを補強

GSK(本社:英国)は、中国のバイオ医薬品企業のHansoh Pharma社(以下、Hansoh社)と、第I相臨床試験(NCT05263479)段階のB7-H4を標的とする抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate、以下ADC)であるHS-20089について独占ライセンス契約を締結したことをお知らせします。Hansoh社は重篤な疾患や障害の克服に向け患者さんの生命に関わる医薬品の発見と開発に取り組む企業です。本契約に基づき、GSKは、全世界(中国本土、香港、マカオ、台湾を除く)におけるHS-20089の開発および商業化に関する独占的権利を取得します。

GSKのR&Dオンコロジー部門のグローバルヘッドでSVPのヘシャム・アブドラ(Hesham Abdullah)は次のように述べています。
「HS-20089は、早期の臨床データから卵巣がんと子宮体がんにおいてベストインクラスの治療薬となる可能性があり、他の固形がんにおいても有望と考えられます。このたびの契約締結は、婦人科がんの患者さんの治療選択肢を広げるというGSKの戦略に沿ったものです。」

HS-20089は、卵巣がんと子宮体がんで過剰発現し、予後不良と関連することが多いB7-H4表面抗原を標的とします。加えて、トポイソメラーゼ阻害剤(topoisomerase inhibitor、以下TOPOi)をペイロードとして用いるなど、ADCの技術として臨床的に確立されたものを利用しています1。TOPOiは、既承認の抗がん剤の作用機序として確立されており、乳がんと卵巣がんにおける標準治療として用いられています。

Hansoh社の取締役であるEliza Sunは次のように述べています。
「アンメットメディカルニーズに対応できるファーストインクラスまたはベストインクラスの医薬品をお届けするという当社の使命のもと、私たちはHS-20089の開発をさらに進め、がん患者さんに画期的な医薬品をお届けできるよう尽力します。また、GSKは婦人科がんの治療薬開発における専門知識と商業実績を有していることから、中国以外にお住まいの婦人科がんの患者さんにHS-20089をお届けするための理想的なライセンス提供先であると考えています。」

本契約は、GSKが戦略的に注力している腫瘍細胞を標的とする治療法の研究開発と婦人科がんに関する専門性、そしてGSKが発揮する医学的かつ商業的な強い存在感に基づくものです。HS-20089は、将来的に併用の可能性も含め、GSKのオンコロジー領域のポートフォリオと重点疾患領域を補強します。

GSKは2024年に中国以外の地域で第I相試験を開始する予定です。

 

契約条件
本契約の条件に基づき、GSKは8,500万ドルを前払いします。加えてHansoh社は、HS-20089に関するマイルストーン達成に応じて最大14億8,500万ドルを受け取ることができます。HS-20089の商業化により、GSKは、中国本土、香港、マカオ、台湾以外の世界各国で得られた正味売上高に対して段階的なロイヤリティも支払います。

本契約は、米国のハート・スコット・ロディノ法(Hart-Scott-Rodino Act)に基づくものを含め、適切な規制当局の認可を得ることが条件になります。

 

HS-20089について
HS-20089は、B7-H4を標的とし、トポイソメラーゼ阻害薬(TOPOi)をペイロードとする新規の抗体薬物複合体(ADC)です。B7スーパーファミリーに属する膜貫通型糖タンパク質のB7-H4は、正常組織では発現が限定的であるのに対し、さまざまながんで高発現しています。HS-20089は婦人科がんの治療薬として開発中で、中国で第I相臨床試験が行われています。

Hansoh Pharma社について
Hansoh社は、中国最大級のバイオ医薬品企業で、重篤な疾患や障害の克服に向け患者さんの生命に関わる医薬品の発見と開発に取り組んでいます。1995年に設立され、研究開発、製造、販売の各部門を一体化した体制にて、オンコロジー、中枢神経系疾患、代謝性疾患、感染症、自己免疫疾患など幅広い疾患領域で主導的な地位を築いています。

GSKのオンコロジー領域の取り組み
GSKは革新的な医薬品を通じて患者さんの生存期間をできるだけ長くすることに取り組んでいます。がん免疫療法および腫瘍細胞標的療法、ならびに血液悪性腫瘍、婦人科がん、その他固形腫瘍領域に対する画期的な治療法の開発に注力しています。

GSK(グラクソ・スミスクライン)について
GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


1 Podojil, J, et al. Potential targeting of B7-H4 for the treatment of cancer. Immunol Rev. 2017 Mar; 276(1): 40–51.