サノフィとGSKの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する次世代ブースターワクチンVidPrevtyn Beta、欧州委員会より承認取得

この資料は、英国GSK plcが2022年11月10日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2022年11月10日 英国ロンドン発>

サノフィとGSKの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する次世代ブースターワクチンVidPrevtyn Beta、欧州委員会より承認取得

  • 初の次世代アジュバント添加タンパク質ベースのCOVID-19ブースターワクチンが欧州で承認
  • 評価対象としたすべての懸念される既存の変異株に対し高い免疫応答を確認
  • 欧州での秋および冬のCOVID-19ワクチン接種キャンペーンに向けた供給が可能な体制

GSK(本社:英国)とサノフィは、ワクチンVidPrevtyn Betaについて、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)による肯定的見解採択を受け、欧州委員会より、18歳以上の成人における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防のためのブースターワクチンとして承認されたことをお知らせします。次世代COVID-19ワクチンは、プロトタイプ株であるSARS-CoV-2(D614株)以外の株を用いた変異株組換えアプローチに基づいています。本ワクチンはベータ株をモデルとした抗原をベースにしており、GSKのパンデミック対応アジュバントを含んでいます。また、これまでmRNAまたはアデノウイルスベクターCOVID-19ワクチンを接種した成人におけるSARS-CoV-2に対する能動免疫のためのブースター接種を適応としています。本ワクチンは、事前購入契約(Advance Purchase Agreements)に従って欧州諸国に出荷する準備ができています。

サノフィ ワクチン部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるトマ・トリオンフ(Thomas Triomphe)は次のように述べています。
「本日の承認により、COVID-19パンデミックに対する新たなソリューションを開発する私たちの研究の妥当性が認められました。VidPrevtyn Betaの第1回の出荷準備は整っており、本剤はCOVID-19を引き起こす様々な変異株から人々を守る重要で新たな選択肢となることでしょう。」

GSK ワクチン研究開発部門グローバルヘッドのフィル・ドーミツァー(Phil Dormitzer)は次のように述べています。
「この度の欧州委員会の承認は、秋と冬に向けて欧州にさらなるワクチンソリューションを提供するための重要なステップです。私たちのアジュバント添加タンパク質ベースワクチンは、パンデミックがさらに進展する中、公衆衛生に重要な貢献ができるでしょう。」

承認申請に用いた、オミクロン株ウイルスが流行していた時期に実施された登録試験では、本ワクチンは複数の変異株に対して高い免疫反応を誘導しました。登録試験には、第III相主要有効性試験(VAT08試験第2ステージ)と、承認済みmRNAブースターワクチンを対照とした比較試験1件を含む、2件の免疫原性試験が含まれていました。

VidPrevtyn Betaについて
ワクチンVidPrevtyn Betaは、サノフィが開発した遺伝子組換えタンパク質をベースとする次世代一価COVID-19ワクチンで、ベータ株をモデルとした抗原とGSKのパンデミック対応アジュバントを含んでいます。サノフィの承認済み季節性インフルエンザワクチンにも、同じタンパク質組換え技術が用いられています。

免疫原性および安全性を評価するCOVIBOOST試験について
フランスのパリ公立病院連合(Assistance Publique - Hopitaux de Paris、AP-HP)が独自に行ったCOVIBOOST試験(VAT013)では、初回接種としてファイザー/ビオンテック社のコミナティ筋注(BNT162b2)ワクチンの2回接種を受けた人々を対象として、ワクチンVidPrevtyn Betaの反応を調査しました。本ワクチンは、プロトタイプ株であるD614株を標的とするファイザー/ビオンテック社のブースターワクチンやサノフィとGSKの第1世代のブースターワクチンよりも高い免疫反応(中和抗体価で測定)を示しました。247人の成人被験者(18~73歳)を対象としたこの試験では、3種類のワクチンはいずれもオミクロン株BA.1系統に対する中和抗体を誘導し、サノフィとGSKの次世代ワクチンが注射から1カ月後に最も高い反応を示しました。また、ワクチンVidPrevtyn Betaはオミクロン株BA.1系統および探索的解析におけるBA.4/BA.5系統に対して、mRNA COVID-19ブースターワクチン対照の約2.5倍の中和抗体価を誘導しました。

免疫原性および安全性を評価するVAT02試験について
免疫原性試験には、ベータ株をモデルとした抗原とGSKのパンデミック対応アジュバントを含むブースターワクチンを評価したVAT02コホート2試験とCOVIBOOST試験が含まれています。VAT02コホート2第III相試験では、mRNA COVID-19ワクチンによる初回接種を受けた18~55歳の成人に本ワクチンを接種したところ、複数の懸念される変異株に対する偽中和抗体価がベースラインを有意に上回って上昇しました(ブースター接種15日後に測定、抗体価は、ブースター接種前のD614Gプロトタイプウイルスに対する抗体価の13倍、ベータ株に対する抗体価の34倍)。VAT02コホート2試験では、副反応はほとんどが軽度から中等度で、一過性であり、自己消失的でした。

有効性および安全性を評価するVAT08 stage 2試験について
第III相VAT08 stage 2試験は、プロトタイプウイルス由来の(D614)株とベータ株の両方を含む二価COVID-19ワクチンによる初回ワクチン接種を調査するランダム化二重盲検プラセボ対照試験です。その結果、ワクチン接種前のSARS-CoV-2感染状態にかかわらず、成人の症候性SARS-CoV-2感染に対する有効性は64.7%であり、以前にSARS-CoV-2に感染したことのある被験者では75.1%でした。この試験は、オミクロン株が流行している環境下の有効性データを報告した最初の試験となります。

上記のすべての試験において、サノフィとGSKの次世代ワクチンは概ね良好な安全性および、忍容性プロファイルも許容可能でした。

BARDAのサポートについて
本ワクチンの研究開発は、契約番号W15QKN-16-9-1002の下、米国保健福祉省の事前準備・対応担当次官補局の一部門である生物医学先端研究開発局(BARDA)のフェデラルファンド、および、米国国防総省の化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局ならびに米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の支援を受けています。

GSKとサノフィの協働について
両社の協働において、サノフィは遺伝子組換え抗原を提供し、ワクチンの製造販売業者となります。GSKはアジュバントを提供しており、いずれもインフルエンザに対し効果が実証され、既に確立されたプラットフォームを使用しています。

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。