GSK、2022年第2四半期業績発表

この資料は、英国GSK plcが2022年7月27日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2022年7月27日 英国ロンドン発>

GSK、2022年第2四半期業績発表
売上高69億ポンド(AERベースで19%増、CERベースで13%増)と好調

  • 継続事業2からの一株当たり利益合計1は17.5ペンス(AERベースで42%減、CERベースで58%減)
  • 調整後一株当たり利益は34.7ペンス(AERベースで23%増、CERベースで6%増)

ハイライト

スペシャリティ医薬品、ワクチン、ジェネラル医薬品の好調な売上に牽引され、2桁台の成長を達成

  • 総売上高は69億ポンド、AERベースで19%増、CERベースで13%増(COVID-19ソリューションを除くと、AERベースで16%増、CERベースで10%増)
    • スペシャリティ医薬品は27億ポンド、AERベースで44%増、CERベースで35%増。HIV領域はAERベースで14%増、CERベースで7%増。オンコロジー領域はAERベースで29%増、CERベースで23%増。免疫炎症領域およびその他のスペシャリティ領域は、AERベースで32%増、CERベースで24%増。COVID-19ソリューション(ゼビュディ)の売上高は5億ポンド
    • ワクチンは17億ポンド、AERベースで9%増、CERベースで3%増(シングリックスは7億3,100万ポンド、AERベースで100%以上増、CERベースで100%以上増)
    • ジェネラル医薬品は25億ポンド、AERベースで5%増、CERベースで2%増

継続的なコスト管理が調整後営業利益率の改善に寄与

  • 継続事業の営業利益率は全体で16%。一株当たり利益合計は20.8ペンス、AERベースで40%減、CERベースで53%減。継続事業からの一株当たり利益合計は17.5ペンス、AERベースで42%減、CERベースで58%減。これは主として、為替相場による条件付対価費用の増加や、2021年第2四半期に繰延税金の再評価を行ったことによる影響を反映
  • 調整後営業利益率は29%。調整後営業利益の伸びはAERベースで22%増、CERベースで7%増。利益率の低いCOVID-19ソリューションがこの伸びに与えたマイナスの影響は、およそAERベースで16%、CERベースで14%
  • 調整後一株当たり利益は34.7ペンス、AERベースで23%増、CERベースで6%増。利益率の低いCOVID-19ソリューションがこの伸びに与えたマイナスの影響は、およそAERベースで20%、CERベースで18%
  • 2022年第2四半期の継続事業からのキャッシュフローは16億ポンド。フリーキャッシュフローは3億ポンド

良好な試験結果と戦略的事業展開による後期研究開発パイプラインの強化

  • Priorix(MMRワクチン)が米国食品医薬品局(FDA)の承認取得。HIV感染症に対してボカブリアとリルピビリンとの併用療法が日本で承認取得。がんを引き起こすヒトパピローマウイルスに対するワクチン、サーバリックスが中国で承認取得
  • 高齢者を対象とした呼吸器合胞体ウイルスワクチン(RSワクチン)候補の第III相試験について良好な結果を発表。すべての結果は近く学会で発表予定。2022年下半期に承認申請が期待される
  • 提案中のAffinivax社の買収により、次世代型24価肺炎球菌ワクチン候補の第II相試験の実施とMAPS™新規技術取得
  • 慢性B型肝炎の新しい治療薬候補bepirovirsenの第IIb相試験について良好な中間解析結果を発表。単剤での第III相試験は2023年上半期に開始予定
  • 2022年7月1日にSierra Oncology社の買収を完了。2022年のASCO年次総会で発表されたmomelotinibのMOMENTUM第III相試験結果により、症状、脾臓反応、貧血に対して統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるベネフィットが示された。米国FDAに新薬承認申請書(NDA)を提出済み
  • 5価髄膜炎(MenABCWY)ワクチン候補、関節リウマチ治療薬オチリマブ、子宮内膜がん1L治療薬Jemperli、多発性骨髄腫3L治療薬Blenrepについては2022年下半期に第III相試験結果の入手を予定

売上高および利益率の改善により通年見通しを達成できると確信

  • 2022年に関してはCERベースで6%から8%(第1四半期業績発表では5%から7%)の売上成長を達成し、CERベースで13%から15%(第1四半期業績発表では12%から14%)の調整後営業利益成長を達成すると予想。調整後一株当たり利益成長は、営業利益成長を約1%下回ると予想。2022年の指針には、COVID-19ソリューション関連は含まれない
  • 2022年第2四半期の配当は一株当たり16.25ペンス(株式併合前は13ペンス)。2022年度の一株あたりの配当見込み61.25ペンス(株式併合前は49ペンス)は変更なし

7月18日にHaleonが無事に分離・上場し、コンシューマー・ヘルス領域の新たなリーディングカンパニーが誕生

  • Haleonからの70億ポンド超の配当により、GSKのバランスシートが強化

GSK最高経営責任者のエマ・ウォルムズリーは次のように述べています。

「今回は、新たなバイオファーマ企業としてのGSKの最初の業績結果です。HIVを含むスペシャリティ医薬品に力強い成長がみられたことと、当社の帯状疱疹ワクチンであるシングリックスが四半期の業績としては記録的な成果を達成したことから、第2四半期は大変好調な業績を示すことができました。この売上高と営業利益の成長における上昇基調により、私たちは通年の指針を引き上げました。また、昨年に株主の皆さまに提示した長期的な成長見通しを達成できると確信しています。今後も引き続きパイプラインを強化しますが、この強化に関して特に注目すべき出来事は、RSVワクチン候補の後期フェーズ臨床試験から良好な結果が得られたことと、戦略的にSierra Oncology社とAffinivax社を買収したことです。このような研究開発と事業成果における数々の前進や、統合後のバランスシートの強化により、GSKは新たな能力と柔軟性をもって、患者さんや株主の皆さまのための成長とイノベーションに投資していきます。」


業績結果は2ページ目に要約を掲載するとともに英語プレスリリース9、21ページの「Financial performance」に記載されており、調整後業績結果の修正は17、18、29、30ページに記載されています。調整後の業績結果は、非継続事業を除く業績についてのIFRSに基づかない指標であり、IFRSに基づき提示されている情報に加えて検討する性質のものであり、それに代わるまたはそれより優れているものではありません。調整後業績結果は37ページに記載されており、£%、AER%成長率、CER%成長率、フリーキャッシュフローおよびその他のIFRSに基づかない指標の定義は68ページに記載されています。また、COVID-19ソリューションの定義は68ページに記載されています。GSKは、37ページに記載された理由に基づいて、調整後結果のみをベースにガイダンスを提供しています。将来の業績や配当金の支払いに関するすべての見込み、ガイダンスや目標は、69、70ページの「Guidance, assumptions and cautionary statement」と併せて読む必要があります。

2022年第2四半期業績結果

  Q2 2022 成長率 H1 2022 成長率
  £m £% CER% £m £% CER%
売上 6,929 19 13 14,119 28 25
継続事業の営業利益合計* 1,081 (15) (35) 3,374 36 26
一株当たり利益合計 20.8p (40) (53) 65.7p 6 (1)
継続事業からの一株当たり利益合計 17.5p (42) (58) 54.8p 9 -
非継続事業からの一株当たり利益合計* 3.3p (27) (24) 10.9p (4) (8)
調整後営業利益 2,008 22 7 3,951 33 26
調整後一株当たり利益 34.7p 23 6 67.0p 36 27
継続事業による営業活動からのキャッシュフロー 1,584 17   3,936 >100  
フリーキャッシュフロー 264 >100   1,741 >100  

(*) 継続事業および調整後実績に関して上記の表に記載されている金額には、コンシューマー・ヘルスケア事業の非継続事業は含まれていません。非継続事業からの一株当たり利益に関して表示されている金額は、コンシューマー・ヘルスケア事業のものです。IFRS第5号における継続事業及び非継続事業の表示については、英語プレスリリース50ページに記載されています。

2022年の指針

これまでの業績の上昇基調により、GSKは、COVID-19ソリューション関連収益による寄与を除くと、2022年の売上高は6%~8%増加、調整後営業利益は13%~15%増加すると予想しています。また、調整後一株当たり利益の成長は、営業利益の成長を約1パーセント下回ると予想しています。GSKの2022年上半期業績は、堅調な事業成果と前年同期との比較により、通年の指針を提示する前に、予想をわずかに上回る結果となりました。

下半期の成長率については、主に2021年下半期との売上比較がより厳しくなること、研究開発費の増加が予想されることを反映して、低下すると予想しています。2022年下半期に影響を及ぼす重要な外的要因には、COVID-19の状況に起因するリスクが継続すること、現在の不確実な世界経済環境における今後の動向があげられます。

私たちが事業を展開している多くの市場で経済状況が不確実であるにもかかわらず、ヘルスケアシステムの回復を示すエビデンスが得られていることから、2022年の売上についてはスペシャリティ医薬品がCERベースで約10%増加し、ジェネラル医薬品は、主に呼吸器領域における既存製品のジェネリックへの置き換えの増加を反映して、わずかに減少すると予想します。ワクチンの売上は、現在、CERベースで年間に10%台前半から半ばの割合で増加すると予想されます。特にシングリックスについては、既存市場における高い需要と市場の継続的な地理的拡大に基づき、2022年も引き続き2桁台の力強い成長率が見込まれ、年間売上高は過去最高を記録すると予想します。ただし、米国において上半期に流通在庫をある程度かかえているため、下半期の売上高は2022年上半期をわずかに下回ると予想されます。

2022年第2四半期から、IFRS第5号に従って、Haleon事業を非継続事業として表示しています。調整後実績には非継続事業からの利益は含まれていません。比較数値は継続事業からの調整後業績結果を反映して修正再表示されており、それに基づいて指針を提供しています。

GSKについては配当ポリシーおよび予定配当に変更はありませんが、1株当たりの配当金は2022年7月18日に完了したGSKの株式併合に伴い調整されています。GSKにおける2022年の将来の配当ポリシーおよび予定配当に関する指針は英語プレスリリース35ページに記載されています。

2022年のCOVID-19ソリューションに対する予想

2022年のCOVID-19ソリューション関連売上予測の大半は、今年の上半期に達成されました。複数の政府との拘束力のある既存契約に基づき、COVID-19ソリューションの売上は下半期には大幅に減少すると予想されます。2021年と比較して、利益率の低いゼビュディの売上構成比が高まるため、利益への寄与は大幅に減少します。今年のこれまでの売上が予想を上回ったことを考慮すると、調整後営業利益の成長率(両年度のCOVID-19ソリューション関連収益を含む)は4%~6%減少すると予想されます。懸念される新たなCOVID-19変異株の出現にCOVID-19ソリューションが対処できるように、政府、ヘルスケアシステム、患者を支援する将来の機会について協議を続けていきます。

将来の業績や配当金の支払いに関するすべての見込み、ガイダンスや目標は、英語プレスリリース69ページにある「Guidance, assumptions and cautionary statements」と併せて読む必要があります。2022年6月30日の終値(1.21ドル/1ポンド、1.16ユーロ/1ポンド、165円/1ポンド)が2022年末まで続くと仮定した場合、GSKの2022年のスターリング(英ポンド)での売上高に対する影響は5%のプラスとなると推定され、為替差損益が2021年と同水準とみなされた場合、GSKの2022年スターリング(英ポンド)調整後営業利益に対する影響は9%のプラスと推定されます。

コンシューマー・ヘルスケア事業の分離

2022年7月18日、GSKはGSKグループからコンシューマー・ヘルスケア事業を分離し、独立した上場企業であるHaleonを設立しました。この分離は、GSKが保有するコンシューマー・ヘルスケアの68%の株式の80.1%をGSKの株主に分割することによって行われました。分割後、Haleonの54.5%はGSK株主、6.0%はGSK(GSKの連結ESOT信託が受領した株式を含む)、7.5%はスコットランドのリミテッド・パートナーシップ(SLP、GSKの英国年金制度に対してGSKが追加資金を提供する資金調達メカニズムを提供するために設立)が保有しています。特定の13.5%の分割後のGSK(ESOT信託およびSLP保有分を含む)による所有権の総額は、当初は公正価値で評価し、純損益で変動します。ファイザー社は分割後もHaleonの32%を継続して保有しています。

分割利益は2022年第3四半期に認識されます。分配された資産は、コンシューマー・ヘルスケアの54.5%の持分でした。分配された資産は、2022年7月18日までのコンシューマー・ヘルスケアの取引によって減額されました。これには、2022年第2四半期末以降かつ2022年7月18日以前に宣言され決済された分離前配当が含まれていました。これらの配当には、2022年第1四半期中に一部貸し付けられたコンシューマー・ヘルスケアの債務を原資とした配当104億ポンド(71億ポンドはGSKに帰属)、および利用可能な現金残高からの配当6億ポンド(4億ポンドはGSKに帰属)が含まれます。債務による分離前配当をGSKが負担することにより、分離時にGSKの純債務は減少します(分離前配当及び貸付金に対するGSKの持分は、分離まで連結財務諸表上で消去されています)。

株式併合

2022年7月18日にコンシューマー・ヘルスケア事業の分離が完了したことを受け、2022年7月18日の分離前後の株価比較可能性を維持するため、GSKの普通株式を連結しました。GSKの株主は、既存の普通株式5株につき新たに4株の普通株式を受領しました。1株当たり利益、潜在株式調整後1株当たり利益、調整後1株当たり利益、1株当たり配当は、提示されているすべての期間において、株式併合を反映して遡及的に調整されています。

プレスリリースの原文はhttps://www.gsk.com/media/9386/q2-2022-results-announcement.pdfをご参照ください。

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.comをご参照ください。

 


(1) 一株当たり利益は、2022年7月18日に実施されたGSK株式併合を反映して過去に遡って調整されています。詳細は英語プレスリリース53ページをご参照ください。
(2) コンシューマー・ヘルスケアは現在、非継続事業として計上されています。詳細は英語プレスリリース20ページをご参照ください。