肺動脈性肺高血圧症治療薬「ヴォリブリス錠2.5mg」8歳以上の小児肺動脈性肺高血圧症患者に対する用法及び用量追加に係る製造販売承認事項一部変更の承認を取得

グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ポール・リレット、以下GSK)は、本日、8歳以上の小児肺動脈性肺高血圧症患者に対する、エンドセリン受容体拮抗薬「ヴォリブリス錠2.5mg」(一般名:アンブリセンタン、以下、「ヴォリブリス」)の用法及び用量追加に係る製造販売承認事項一部変更の承認を取得したことをお知らせします。今回新たに承認された用法及び用量は、下記の通りです。

【新たに承認された用法及び用量】
小児
通常、8歳以上の小児には、体重に応じアンブリセンタンとして下記の投与量を1日1回経口投与する。
20~35kg未満:通常、2.5mgとし症状に応じて1日5mgを超えない範囲で適宜増量する。
35~50kg未満:通常、5mgとし症状に応じて1日7.5mgを超えない範囲で適宜増量する。
50kg以上:通常、5mgとし症状に応じて1日10mgを超えない範囲で適宜増量する。

「ヴォリブリス」は肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension: 以下PAH)の治療薬として開発されたプロピオン酸系のエンドセリンA受容体に特異的な拮抗薬です。エンドセリン-1*による血管収縮および細胞増殖作用を抑制することにより、PAHの臨床症状を改善させる1と考えられています。「ヴォリブリス」は、2010年7月23日、成人の肺動脈性肺高血圧症を効能又は効果として、国内で製造販売承認を取得しています。

*エンドセリン-1(ET-1):強力な血管収縮および細胞増殖促進作用を有するペプチドであり、肺動脈性肺高血圧症の重要なメディエーターの一つと考えられています。

PAHは、肺動脈の収縮、細胞増殖などにより血流が妨げられるために肺動脈圧が高くなり、心臓に負担をかける結果、心不全に至らしめる原因不明の希少疾患です。国内では1998年に特定疾患に指定されています。PAHは成人と小児での病態は類似していますが、小児では、成人より早く進行し予後不良となることが報告されています2,3。1992年から1997年の全国調査によると、小児原発性肺高血圧症(特発性PAHと遺伝性PAH)の年間発症率は100万人に1人程度と報告されており、原発性肺高血圧症患者の約25%を小児が占めると推定されています4。国内において小児に対する承認を有するPAH治療薬は限られており、アンメットニーズが残された領域です。

当社代表取締役社長のポール・リレットは、今回の承認を受け、次のように述べています。
「小児患者さんそれぞれの症状に応じた治療を選択する上で、ヴォリブリスが新たな治療選択肢の1つとなり、アンメットニーズに応えることができればと考えています。今後もアンメットニーズのある領域において医薬品の開発を進め、患者さんやご家族、そして日本の医療に貢献できるよう努めて参ります。」

「ヴォリブリス」の製品概要
以下表内の下線部分が、今回新たに追加された内容です。

製品名 ヴォリブリス錠2.5mg
一般名 アンブリセンタン
製造販売承認取得日 2010年7月23日
用法及び用量追加に係る製造販売承認事項一部変更の承認取得日 2021年3月23日
効能又は効果 肺動脈性肺高血圧症
用法及び用量 成人
通常、成人にはアンブリセンタンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じて1日10mgを超えない範囲で適宜増量する。

小児
通常、8歳以上の小児には、体重に応じアンブリセンタンとして下記の投与量を1日1回経口投与する。
20~35kg未満:通常、2.5mgとし症状に応じて1日5mgを超えない範囲で適宜増量する。
35~50kg未満:通常、5mgとし症状に応じて1日7.5mgを超えない範囲で適宜増量する。
50kg以上:通常、5mgとし症状に応じて1日10mgを超えない範囲で適宜増量する。

GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/を参照ください。


1. K.Taguchi, Y.Hattori. Circ Res. 2013;112:227-229.
2. Ann Intern Med 1991; 115: 343-9
3. 日本小児循環器学会誌6 2000; 16: 230-7
4. 佐地 勉, 門間 和夫, 柴田 利満, ら. 小児期原発性高血圧症の全国調査結果-肺移植適応患者の実態調査(第1報)-. 日本小児循環器学会雑誌. 2000;16(2):230-7.