ベンリスタ点滴静注用120mg、同点滴静注用400mg 小児用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認取得のお知らせ

グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:ポール・リレット、本社:東京都港区、以下GSK)は本日、「ベンリスタ点滴静注用120mg」、「ベンリスタ点滴静注用400mg」(一般名:ベリムマブ(遺伝子組換え)以下ベンリスタ)について小児用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことをお知らせいたします。全身性エリテマトーデス(以下SLE)は、関節の痛みと腫脹、極度の疲労、原因不明の発熱、皮膚発疹、および臓器障害など、時間の経過とともに変動するさまざまな症状を伴う慢性の難病自己免疫疾患です。また、小児SLEは、一般に成人SLEと比べてより病気の進行が早く、重篤な経過をとるのが特徴です1

ベンリスタは、SLEの重要な因子である、Bリンパ球刺激因子(BLyS)を標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体です。ベンリスタは可溶性BLySに高親和性に結合し、自己反応性B細胞の生存を阻害することで、最終的に、SLE患者の疾患活動性を低下させます。

この度、小児用量が追加されるのは点滴静注用製剤(IV製剤)となります。IV製剤は医療機関にてベリムマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kgを0,2,4週目に点滴静注し、その後、4週間ごとに投与します。この度の承認については、日本も参加した小児における国際共同治験の結果に基づき、米国、欧州、日本にて2018年10月~11月に承認申請を行い、日本は米国に続いて世界で2番目に承認を取得しました。なお、欧州は現在承認審査中です。

GSK社長 ポール・リレットは次のように述べています。
「日本では、2017年にベンリスタを成人のSLE患者さんの新しい治療選択肢として発売いたしました。今後、小児の患者さんも同様に、ベンリスタが、患者さんそれぞれの症状に合わせた治療を検討する上での、新たな選択肢となることを期待しています。GSKはこれからも最先端の科学を追及するヘルスケアカンパニーとして、適切な薬剤が適切な患者さんに、適切なタイミングで届くよう情報提供活動に努めてまいります。」

ベンリスタ(一般名:ベリムマブ(遺伝子組換え))について
ベンリスタは現在、SLE治療剤として承認されている唯一の生物学的製剤です。「ベンリスタ」は可溶性BLySに高親和性に結合し、その生物活性を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体です。BLySは、B細胞の生存を促進する因子であり、B細胞の免疫グロブリン産生形質細胞への分化に重要な役割を果たしています。SLE患者では、BLySの増加によって自己反応性B細胞が活性化され、炎症を促進する自己抗体が産生されます。ベンリスタはB細胞に直接結合せず、BLySに結合することにより、自己反応性B細胞の生存を阻害します。
ベンリスタの点滴静注用製剤(IV製剤)は、標準治療を受けており、疾患活動性を有する自己抗体陽性のSLEの成人患者の治療薬として2011年3月に米国において最初の承認を取得し、現在、欧米を含む世界各国で承認されています。更に、2017年7月に皮下注製剤(SC製剤)が同じ適応症に対して米国で承認され、2019年5月現在、欧米、カナダ、スイス及びイスラエルで承認されています。日本においては、「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果として、2017年9月にIV製剤及びSC製剤の製造販売承認を取得しました。一方、小児SLEに対しては、2019年4月に、IV製剤で、米国にて5歳以上の小児に係る販売承認を取得しています。

 

全身性エリテマトーデス(SLE)について
SLEはエリテマトーデスでは最も一般的にみられる型であり、国内では6万人以上患者がいると推定されています2。SLEは、自己抗体を産生し体内の殆ど全ての組織に悪影響を与える、慢性の難病自己免疫疾患です。
SLE患者の多くは15~40歳の女性であり、その約10~20%が20歳までに発症します3。小児SLEの罹患率及び有病率は年齢と共に上昇し、9歳以下の小児がSLEと診断されることは稀です4。小児SLEに対する治療には、成人と同様、主にステロイドや免疫抑制剤が使用されるものの、小児患者における疾患活動性は成人と比べて高く、高用量のステロイドや高頻度の免疫抑制剤が使用されます。このような治療は、慢性臓器障害の増加の一因となり、重大な副作用を引き起こす可能性があります。そのため、これらの標準治療で疾患活動性を十分にコントロールできない小児SLE患者では、他の治療選択肢が限られており、アンメットメディカルニーズが高い状況です。

 

GSKは、より多くの人々に「生きる喜びを、もっと」を届けることを存在意義とする科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/を参照ください。

 

1.参考資料:小児SLE診療の手引き2018
2.難病情報センター
3.Aggarwal, 2015; Kamphuis, 2010; Klein-Gitelman, 2002; Malattia, 2013
4.Hiraki, 2012; Lim, 2009; Nightingale, 2007; Somers, 2007