GSK、低所得国の感染症に取り組むための、今後10年間にわたる10億ポンドの研究開発投資を発表

この資料は、英国GSK plcが2022年6月23日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttps://www.gsk.com/をご参照ください。

<2022年6月23日 英国ロンドン発>

GSK、低所得国の感染症に取り組むための、今後10年間にわたる10億ポンドの研究開発投資を発表

  • 新たな投資は、顧みられない熱帯病(NTD)や薬剤耐性(AMR)への新たな注力や、マラリア、結核、HIVにおけるさらなるイノベーションのため
  • GSKグローバルヘルス研究開発拠点では、疾病負荷が高い13種類の感染症を対象に、30以上の新規ワクチンや治療薬剤の候補を研究開発中
  • GSKはさらに、リンパ系フィラリア症撲滅までアルベンダゾールの無償提供を継続し、RTS,Sマラリアワクチンで使用するアジュバントの製造量を倍増する予定
  • これらの新たな取り組みは、今後10年間で25億人超の人々の健康に貢献するというGSKが掲げる大きな目標の達成を支援

GSK(本社:英国)は6月23日、低所得国に特に大きな影響を及ぼす感染症に特化した研究開発を加速するための、10年間で10億ポンドの投資計画を発表しました。

この研究は、マラリア、結核、HIV(ヴィーブヘルスケアを通して実施)、顧みられない熱帯病(NTD)、薬剤耐性(AMR)の予防や治療を目的とした新規の革新的なワクチンや医薬品に主眼を置くものです。このような感染症は、多くの低所得国で疾病負荷の60%以上に相当しており、社会的に最も弱い立場にある人々に深刻な被害を与え続けています。

GSKのチーフ・グローバルヘルス・オフィサーであるトーマス・ブリューワーは、ルワンダで開催されたマラリアとNTDに関するキガリ・サミットで次のように述べました。
「当社のサイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つという存在意義に加え、人々の健康に大きく貢献するという大きな目標に基づき、今後10年間のグローバルヘルス研究へのコミットメントを新たに打ち出せたことを、喜ばしく思います。グローバルヘルス分野での科学的イノベーションに注力することによって、これまでGSKは、初のマラリアワクチンとなるRTS,S、三日熱マラリアの根治につながる初の治療薬となるタフェノキンに加え、新たな結核ワクチン候補を開発してきました。 GSKには現在、開発を加速させようとしている、疾病負荷の高い13種類の疾患を対象とした30以上の新たなワクチンおよび治療薬候補(前臨床段階にある資産を含む)があります。私たちは、命を救う可能性を秘めたこのようなイノベーションを、必要としている人々に届けられるよう、緊急性を意識しつつ組織をあげて取り組む必要があります。」

マラウイの保健大臣であるKhumbize Kandodo Chiponda氏は次のように述べています。
「私たちは、マラウイにおけるリンパ系フィラリア症の撲滅を含め、感染症がもたらす疾病負荷の軽減という点では大きく前進しました。しかしながら、疾患の中には根強く残っているものもあります。その原因は、予防のためのワクチンや治療薬がないことや、耐性の獲得に伴ってそれらの効果が低くなってしまうことです。今回の発表は、イノベーション格差を埋めようとするGSKの取り組みをはっきりと示すものであり、より健康かつ平等な世界となるための障害である感染症をなくしていく上で、極めて重要な一歩となります。」

グローバルヘルスの研究開発に対し10億ポンドを投資することで、具体的には、GSKは以下のような取り組みを行います。

  • マラリアや結核に対し、より短期間の、簡便かつ安全な治療選択肢となる次世代のワクチンや治療薬の開発。これには、熱帯熱マラリア原虫に対する防御を目的とした長時間作用型注射剤に関する研究開発が含まれる。
  • ヴィーブヘルスケアを通して、HIV感染者が使用できる革新的な治療薬および予防法を開発し、アクセスを拡大し、HIV/AIDSの撲滅という目標に向けて連携する。
  • 業界をリードするワクチンパイプラインを発展させることにより、薬剤耐性を低減させる。パイプラインには、侵襲性非チフス性サルモネラ症(iNTS)や赤痢に対するファーストインクラスのワクチンが含まれる。
  • 複数のセクターが協力し合い連携することで、疾病負荷の高い感染症を対象とした研究開発のために外部からの資金提供を促す。

これらの目標を達成するため、GSKでは非営利かつ専門のグローバルヘルス・ユニットを設立しました。このユニットの成果は、ヘルスインパクトだけで評価されます。このモデルでは、商業的利益がほとんど見込めない疾患領域であるものの、当社のサイエンスが何百万人もの人々の健康に影響を与えうる、低所得国における感染症の予防と治療を優先することを狙いとしています。

グローバルヘルス・ユニットには、ワクチンや医薬品を対象とした専門のグローバルへルス・イノベーション拠点も含まれています。そういった拠点では、新薬やワクチンの創製と開発を加速させるため、世界的に認められた提携先と協働していくことになります。これらの拠点のR&Dパイプラインには、現在、疾病負荷が高い13種類の感染症を対象とした30以上のワクチンおよび治療薬候補が入っています。

研究開発に対する10億ポンドの投資に加え、GSKはキガリ・サミットで、グローバルヘルス分野を対象としてさらに多くの投資を行うことを発表しました。GSKは、公衆衛生上の問題となっているリンパ系フィラリア症と土壌伝染性蠕虫症(STH)の罹患率が全ての国でゼロになるまで、これまでにも既に過去最大規模で行ってきたアルベンダゾール無償提供の取り組みを継続します。また、RTS,Sマラリアワクチンで使用するAS01アジュバントの製造量を倍増し、中期的なワクチンの需要予測に対応していきます。

今後10年間にわたり、グローバルヘルス・イノベーションにおけるGSKの長期的なコミットメントと投資を土台にして、グローバルへルスへの取り組みを継続していく予定です。これまでもGSKは重要かつ新たな介入を行ってきました。その例としては、史上初のマラリアワクチン(寄生虫に対するヒトワクチンという意味でも史上初)であるRTS,Sや、三日熱マラリアの根治につながる初めての治療薬となるタフェノキンに加え、現在、Bill and Melinda Gates Medical Research Instituteの主導で結核に対する疾病負荷の高い低所得国向けの開発が行われている、有望なワクチン候補などがあります。

グローバルヘルス分野に対してGSKが行っているこれらの投資は、今後10年間にわたり25億人超の人々の生活にポジティブな影響を与えるという大きな企業目標の一部でもあります。

GSKは、科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。