GSKが世界最貧国における医薬品へのアクセス拡大のため、特許および知的財産に対する段階的アプローチを拡大

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcとセーブ・ザ・チルドレンが2016年3月31日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2016年3月31日 英国ロンドン発信>

  • 国の経済的成熟度を反映した知的財産へのアプローチを採用する
  • 後発開発途上国および低所得国において特許保護を申請しない
  • 低中所得国において様々なGSK医薬品を供給するため、ジェネリック医薬品メーカーにライセンスを供与するよう努める
  • 途上国で増え続けるがんの負担に応えて、将来的なオンコロジー製品を特許プールに入れる意思を表明し、医薬品特許プールに照らしそれを検討する
  • 特許ポートフォリオに関する情報を自由に入手できるようにする


本日の医薬品アクセスに関する国連ハイレベル・パネルの会議に先立って、GSKのCEOであるアンドリュー・ウィティ卿は、世界最貧国に住む多くの人々にGSKの革新的な医薬品を提供することを目的とした、一連の措置を発表しました。

GSKは、新しい革新的な医薬品を開発し、世界中でこれらの医薬品へのアクセスを拡大することで、ヘルスケアの向上に全力を注いでいます。この8年間、当社は段階的価格設定、医療インフラの構築、データ共有および革新的なパートナーシップなど、多くの領域で措置を講じてきました。

世界中で医薬品アクセスを改善するには、知的財産(IP)保護に対する柔軟かつ多角的なアプローチが必要であることを、GSKは認識しています。IPは、研究開発への継続的な投資を促進し、これを支えていますが、GSKは同社のIPに柔軟に対応することで、途上国における差し迫った医療課題に対処しやすくなると考えています。

このような視点を基に、GSKはIP保護が国の経済的成熟度を反映するよう、特許の申請と行使に対する段階的アプローチを展開しています。後発開発途上国(LDC)および低所得国(LIC)については、これらの国々でジェネリック版のGSK医薬品を製造し供給しようとしているジェネリック医薬品企業に明確性と自信を与えられるよう、GSKは同社の医薬品に対する特許を申請しません。低中所得国(LMIC)については一般的に、GSKは特許を申請しますが、ジェネリック版の同社医薬品の供給を10年間にわたり認めるライセンスを供与し、これに合意するよう努めます。GSKは、これらの国々における売り上げに対しては、少額のロイヤルティを求めるつもりです。この提示は、この10年の期間に経済成長の増加によりLMICという立場から抜け出した国にも適用されます。高所得国、高中所得国およびG20各国については、GSKは引き続き完全な特許保護を求めます。WHOの必須医薬品リストに載っているGSKの医薬品はどれも、これらの変更に含まれます。

さらにGSKは、将来的ながん治療薬のポートフォリオを特許プールに入れる意思を表明し、途上国で増え続けるがんの負担に対処するため、医薬品特許プール(MPP)による構想を検討します。このような措置を講じる企業は、GSKが初めてです。2010年に設立されてから、MPPは自発的なライセンス契約により、低所得国および中所得国においてHIV、TBおよびC型肝炎の医薬品へのアクセスを加速させることに成功してきました。このアプローチをオンコロジーにも拡大することで、現在臨床開発中であるジェネリック版のGSKの次世代がん免疫療法やエピジェネティック療法を、規制承認が受けられればLDC、LICおよび特定の中所得国で利用できるようになります。

GSKはまた、現在および将来的な特許ポートフォリオに関する情報を自由に入手できるようにすることも目指しています。

GSKのCEOであるアンドリュー・ウィティ卿は、次のように述べています。「知的財産保護は、世界中の人々を助けることのできる新しい治療薬を生み出す研究への投資に必要なインセンティブを与える、医療革新の極めて重要な一部となっています。

「IP自体が医薬品へのアクセスの障害となることはありません。しかし、グローバルの医療上の課題をかんがみるに、柔軟なアプローチを取り、さまざまなニーズに応えることが求められているのです。これは特に、疾患の負担が感染性疾患から非伝染性疾患へと移ってきているためです。私たちは今後も、GSKが医薬品へのアクセス向上にさらに貢献できる方法を考えていきます。」

「最新のHIV治療薬であり、当社のなかで商業的に最も成功した製品であるテビケイの医薬品特許プールでGSKが培った経験は、アクセスを向上させ、イノベーションに対し適切にインセンティブを与え、事業の成功を収めることは、すべて同時に進めることができるという自信を与えてくれています。」

「私たちが提示している変更は、LDC、LICおよび大半のLMICにおいて、ジェネリック医薬品メーカーが、より明確かつシンプルにGSKのさまざまな医薬品のジェネリック製品を、製造し供給することを可能にするものであると考えます。」

「特許およびIPシステムへの変更は、途上国における医療の改善という多角的な課題を解決することはできません。たとえばがんでは、途上国における転帰を改善するには、よりいっそうの資金提供、検診と診断の改善、がん専門医の増加およびより良い病院サービスと治療へのアクセス向上が必要です。しかし本日説明する対策は、GSKが世界中で効果的な医療へのアクセスを向上させるために行っている、幅広い貢献の一つとなることを確信しています。」

これらの提案の実行に際しては、現地の法的規制が適用されます。GSKは今後これらの変更について、同社のライセンスおよび共同開発パートナーと協議していきます。 国連の潘基文事務総長が招集した医薬品アクセスに関する国連ハイレベル・パネルは、医療業界、公衆衛生、人権および法的部門全域から専門家が集結し、世界中でイノベーションおよび医療へのアクセスを推進する幅広いアプローチについて検討します。

Notes to editors:
将来的なオンコロジーポートフォリオに対する自発的ライセンス許諾
医薬品特許プール(MPP)とは、低所得国および中所得国において革新的なHIV、C型肝炎および結核治療薬の自発的ライセンス許諾を促進することを目的とした、国連の支援を受けたイニシアチブです。MPPは、ファイザーおよび塩野義とともに大部分をGSKが所有するHIVのスペシャリスト企業であるヴィーブヘルスケアと、多くの契約を締結しています。これには、必要性が最も差し迫っている後発開発途上国、低所得国、サハラ以南のアフリカ諸国および特定の中所得国において、ヴィーブのジェネリック版の革新的治療薬であるさまざまなGSKの医薬品の製造と販売を促進するために、2014年に締結された契約が含まれます。

HIVやマラリアといった感染性疾患に関しては世界中で進展が見られているものの、世界的な見通しではライフスタイルの変化、拡大された医療制度への負担の増加により、今後20年間にわたって途上国におけるがんの罹患率は上昇すると予測されています。WHOによると、2012年には820万人ががんで死亡しましたが、そのうち3分の2はLMICでの死亡であり、これらはAIDS、結核、そしてマラリアを合わせた数よりも多いのです。

GSKには、現在臨床開発中の次世代がん免疫療法やエピジェネティック療法のパイプラインがあります。HIVの難題に応えたMPPの成功を基に、GSKは、規制当局の承認が受けられれば、途上国における患者さんへのアクセスを加速させるため、将来的な治療薬ポートフォリオのジェネリックでの製造と供給を可能にする提案を提示しています。

特許ポートフォリオの透明性の向上
GSKはまた、現在および将来的な特許ポートフォリオに関する情報を入手できるようにすることも目指していきます。どの国でどの特許が保有されているのかについて透明性を高めることで、途上国で製品を販売しようとしているジェネリック企業に、このような情報がより明確に開示されます。GSKは、メルク社による同様の動きを受けて、これが幅広いアプローチを促進し、他の企業、学術機関およびジェネリック医薬品メーカーがそれぞれの特許に関する詳細を共有するというベストプラクティスの枠組みを提供することを期待しています。

イノベーションおよびアクセスへのGSKのアプローチ
過去10年の間、GSKは医薬品へのアクセス向上をサポートするため、同社のビジネスモデルに大幅な変更を行ってきました。GSKは段階的価格設定モデルを初めて導入し、発展途上世界の疾患に対する研究開発への投資を優先し、貧しい国の人々のため医療を改善するためのパートナーシップを結びました。GSKは、顧みられない疾患のさらなる研究を奨励するため同社の特許およびノウハウをプールし、ジェネリック医薬品メーカーが、HIVによる被害を最も受けている国のためにHIV治療薬を作ることを可能にする自発的ライセンスに合意するなど、知的財産に対し柔軟なアプローチを採用してきました。

  • GSKには、世界最貧国における医薬品へのアクセス向上だけに従事する専門部門があります。この部門は、LDCでの特許医薬の価格を先進国の価格の25%以下とする上限を定め、LDCで上げた収益の20%をこれらの国々のコミュニティ医療従事者の研修に再投資しています。これにより2009年以降、40,000人の医療従事者の研修に貢献してきました。また当社は自社製品に対し、国がそれぞれの1人あたりの国民総所得(GNI)に応じて価格を支払う、段階的価格設定アプローチも採用しています。

  • GSKは、同社のワクチンへのアクセスを向上させ、低所得国が全国的な予防接種プログラムを展開できるよう、数十年にわたり段階的価格設定モデルを使用してきました。世界最貧国の子どもたちへのワクチン接種を支援する、ワクチンアライアンスのGaviなどの組織には、最低価格を維持しワクチンを提供しています。2015年、GSKはGaviの支援から卒業する国に対しワクチン接種の価格を凍結し、これらの国々がさらに10年間にわたり割引価格で引き続きワクチンを購入できるようにしました。

  • 2015年、30年間研究を重ねている製品であるGSKのマラリア候補ワクチンが、サハラ以南のアフリカ諸国の幼児におけるマラリア予防での使用を対象に、欧州の規制機関から肯定的な科学的見解を受けました。これは、マラリアから子どもたちを守るため、他の手段と並行してワクチンを利用可能にすることに向けた、重要な一歩です。GSKは、ワクチンを非営利価格で提供します。

  • 2009年、GSKは顧みられない熱帯病(NTD)に対する知的財産へのアクセスを開放しました。今日では、他の7社の製薬会社がWIPO Re:Searchというコンソーシアムを通じ、同じことを行っています。またGSKは、約200万種類の化合物で構成される同社の化合物ライブラリ全体のスクリーニングも行っており、マラリアに対する活性の兆候を示した13,500種類の化合物と、TBに対する活性の兆候を示している200種類の化合物を公開して、これらの領域での研究を奨励しています。

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