GSK、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者を対象としたbelimumab皮下注用製剤の第III相試験(BLISS-SC 試験)での良好な結果を発表

PDFダウンロード

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2015年11月7日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2015年11月7日 英国ロンドン発>

グラクソ・スミスクラインplc(本社:英国 以下GSK)は11月7日付で、疾患活動性を有する自己抗体陽性の全身性エリテマトーデス(以下SLE)患者を対象とした主要な第III相試験であるBLISS-SC試験の結果を発表しました。これらの結果は、米国リウマチ学会年次総会で発表され、標準的に用いられる治療に加えてbelimumab 200mgを週1回皮下投与した場合に、標準的に用いられる治療とプラセボを投与した場合と比較して疾患活動性が有意に低下したことが示されました。

有効性に関する主要評価項目(52週時のSLE responder index(SRI)におけるレスポンダー率)では、標準的に用いられる治療に加えbelimumabを皮下投与した患者(以下、belimumab群)の方が、標準的に用いられる治療に加えプラセボを投与した患者(以下、プラセボ群)よりも疾患活動性が有意に低下しました(belimumab群:60.8%、プラセボ群:48.47%、p=0.0011)。SRIはbelimumabの点滴静注用製剤の主要な第III相臨床試験プログラム(BLISS試験)で用いられている複合的なエンドポイントであり、SELENA-SLEDAI、BILAG及びPGAの3つにより構成され、各臓器系の著しい悪化がなく(BILAG)、全身状態の悪化がない(PGA)、臨床的な改善(SELENA-SLEDAI)として定義される疾患活動性の低下を評価する指標です。

有効性に関する2つの副次的評価項目では、重度の増悪までの期間についてbelimumab群の方が、プラセボ群と比較して有意に延長しました(belimumab群:170日、プラセボ群:116.5日、p=0.0003)。また、プレドニゾン(経口ステロイド薬)7.5mg/日超の投与を受けていた患者(n=503)のうち、40~52週時にプレドニゾン投与量が25%以上減量し7.5mg/日以下となった患者は、belimumab群では18.2%であったのに対し、プラセボ群では11.9%でしたが、統計的な有意差は認められませんでした(p=0.0732)。

GSKのSenior Vice-Presidentであり、免疫・炎症領域の責任者のPaul-Peter Takは次のように述べています。「ステロイドや免疫抑制剤などの標準的に用いられる治療薬を使用しているにもかかわらず、SLE患者の約60%に持続的な症状があり、重度の増悪が認められています。この試験はGSKでSLE患者を対象に行い、良好な結果が得られた3番目の第III相試験であり、この結果は、Bリンパ球刺激因子(BLyS)経路がSLEの疾患活動性を低下させる手段であるとする我々の考えを裏付けるものとなっています。これらの結果により、belimumab皮下注用製剤の各国での承認申請に向けて前進することが期待され、承認された場合にはSLE患者に治療薬の新しい選択肢の提供が可能となります。」

BLISS-SC試験で確認されたbelimumabの安全性プロファイルは過去に行われた2つのBLISS試験(BLISS-52およびBLISS-76試験)で確認されたものと一致しました。治験薬と関連する有害事象の発現率は、belimumab群が31.3%、プラセボ群が26.1%でした。最も多く認められた有害事象は感染症および寄生虫症(belimumab群:18.7%、プラセボ群:18.9%)、一般・全身障害および投与部位関連の事象(belimumab群:6.3%、プラセボ群:3.6%)でした。中止に至った有害事象の発現率は、belimumab群が7.2%、プラセボ群が8.9%でした。重篤な有害事象の発現率は、belimumab群が10.8%、プラセボ群が15.7%でした。また、死亡例は5例報告されており、内訳はbelimumab群3例(0.5%)、プラセボ群2例(0.7%)でした。SLE患者を対象としたbelimumabのランダム化比較対照試験全体の死亡率は、belimumab群0.7%で、プラセボ群0.5%でした。

現在belimumab皮下注用製剤が承認されている国はありません。

BLISS-SC試験について

BLISS-SC試験は、belimumabの臨床試験プログラムの一環として行われ、現在までにSLE患者を対象として行われている最大規模の試験です1-3。BLISS-SC試験は、52週間の第III相多施設共同ランダム化二重盲検比較試験で、標準的に用いられる治療を受けている、疾患活動性を有する自己抗体陽性のSLE患者を対象にbelimumab皮下注用製剤の有効性および安全性を検討することを目的としています。有効性に関する主要評価項目は、52週時のSRIレスポンダー率です。SRIは、以下のような様々な要素で構成された複合的評価指標です。

  • 発現している症状について可重加算を用いて重症度を判定するSELENA SLEDAIがベースラインから4ポイント以上低下

かつ

  • 医師による全身評価(Physician’s Global Assessment(PGA))の悪化がない(スコアの増加が0.30ポイント未満)

かつ

  • British Isles Lupus Assessment Group of SLE Clinics(BILAG)臓器系スコアによる評価で疾患活動性が悪化していない(ベースラインと比較してカテゴリーAに悪化した臓器系がない、またはカテゴリーBに悪化した臓器系が2つ以上ない)
  • 主要解析では、脱落した患者およびTreatment failureの患者をノンレスポンダーとしています。

有効性に関する主な副次的評価項目は、初回の重度の増悪までの期間(改訂版SLE Flare Index(SFI)による)と、ベースライン時に7.5mg/日超のプレドニゾン投与を受けていた患者のうち、投与40~52週時にプレドニン平均投与量がベースライン時から25%以上減量し7.5mg/日以下となった患者の割合です。

本試験に登録された836例の患者のうち、556例の患者がbelimumab群、280例がプラセボ群に無作為に割付けられました。対象患者全体の94%が女性でした。

Belimumabの点滴静注用製剤(欧米における製品名;Benlysta®)について
Belimumabは、この50年以上の間で、開発され承認された初のSLE治療薬です。belimumabは、B細胞生存の重要な因子であるBリンパ球刺激因子(BLyS)を選択的に標的とするヒトモノクローナル型抗体です1,4-7

Belimumabは、米国で、標準的に用いられる治療を受けている疾患活動性を有する自己抗体陽性のSLE患者に対する投与が認められています。

使用の制限

Belimumabの有効性は、重度の活動性ループス腎炎、重度の活動性中枢神経系ループスの患者については評価されていません。他の生物学的製剤またはシクロホスファミドとbelimumabとの併用についての試験は現在実施されていません。このようなケースにおけるbelimumabの使用は推奨されません。

医薬品ガイドを含むbelimumabの処方情報については、下記URLをご覧ください。 https://www.gsksource.com/pharma/content/dam/GlaxoSmithKline/US/en/Prescribing_Information/Benlysta/pdf/BENLYSTA-PI-MG.PDF

Belimumab点滴静注用製剤は、標準的に用いられる治療を行っているにもかかわらず、疾患活動性を有する自己抗体陽性のSLE(抗dsDNAが陽性、低補体価など)の成人患者に対する補助治療薬として欧州連合(EU)で承認されています。

Belimumab の製品概要(EU)については、www.ema.europa.euをご覧ください。

Belimumabは、120 mg(5 mL単回使用バイアル)と400 mg(20 mL単回使用バイアル)があり、点滴静注用製剤のみ発売されています。(日本では未承認)

全身性エリテマトーデス(SLE)について

全身性エリテマトーデス(SLE)はエリテマトーデスの最も代表的な疾患で、全世界の約500万人のエリテマトーデス患者のうち、約70%が罹患しています8。自己抗体を産生する治療不能な慢性疾患で、全身のさまざまな臓器系で障害を引き起こすと考えられます9-12

 

引用文献
1. GlaxoSmithKline. BENLYSTA Summary of Product Characteristics. May 2014.
2. Navarra SV, Guzmán RM, Gallacher AE, et al. Efficacy and safety of belimumab in patients with active systemic lupus erythematosus: a randomised, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet. 2011;377:722-24.
3. Furie R, Petri M, Zamani O, et al. A Phase III, randomized, placebo-controlled study of belimumab, a monoclonal antibody that inhibits B lymphocyte stimulator, in patients with systemic lupus erythematosus. Arthritis Rheum. 2011;63:3922.
4. Cancro MP et al. The role of B lymphocyte stimulator (BLyS) in systemic lupus erythematosus. J Clin Invest. 2009;119: 1066–73
5. Baker KP et al. Generation and Characterization of LymphoStat-B, a Human Monoclonal Antibody That Antagonizes the Bioactivities of B Lymphocyte Stimulator. (0413) Arthritis & Rheumatism 2003;48(11): 3253–3265
6. Petri M, Stohl W, Chatham W, McCune WJ, Chevrier M, Ryel J, Recta V, Zhong J, Freimuth W. Association of plasma B lymphocyte stimulator levels and disease activity in systemic lupus erythematosus. Arthritis & Rheumatism 2008;58(8): 2453–2459
7. Petri M, et al.Baseline predictors of systemic lupus erythematosus flares: data from the combined placebo groups in the Phase 3 belimumab trials Arthritis Rheum 2013;Epub: na
8. Lupus Foundation of America. Statistics on lupus. Available at: http://www.lupus.org/about/statistics-on-lupus Last accessed October 2015.
9. American College of Rheumatology Ad Hoc Committee on Systemic Lupus Erythematosus Guidelines. Guidelines for referral and management of systemic lupus erythematosus in adults. Arthritis Rheum 1999;42:1785–96.
10. McElhone K, Abbott J, Gray J, et al. Patient perspective of systemic lupus erythematosus in relation to health-related quality of life concepts: a qualitative study. Lupus 2010;19:1640–8.
11. Danchenko N, Satia JA, Anthony MS. Epidemiology of systemic lupus erythematosus: a comparison of worldwide disease burden. Lupus 2006;15:308–18.
12. Lerang K, Gilboe I, Garen T, et al. High incidence and prevalence of systemic lupus erythematosus in Norway. Lupus 2012;21:1362-9.


生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。詳細は、www.gsk.comをご覧ください。