GSKとTheravance、SUMMIT試験の結果を発表

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2015年9月8日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

2015年9月8日英国ロンドン発

2015年9月8日、グラクソ・スミスクラインplc(本社:英国 以下GSK)とTheravance(本社:米国)は、「レルベア® 100エリプタ®」(フルチカゾンフランカルボン酸エステル(FF)/ビランテロール(VI) 又はFF/VI)に関する試験、The Study to Understand Mortality and MorbidITy in COPD(SUMMIT)の初期成績を発表しました。この試験は、中等度の気流閉塞(予測1秒量(FEV1)の50%から70%)があり、心血管系疾患(以下CVD)の既往歴を有する、あるいはそのリスクが高い慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者、16,485名を対象に世界43カ国で行われました。

この試験の主要評価項目である試験期間中の死亡のリスクは、FF/VI 100/25mcg 群でプラセボ*群に比べて12.2%低かったものの、統計学的に有意なものとは認められませんでした(p=0.137)。

2つの副次的評価項目のうちの1つ、肺機能の低下率(FEV1で評価)は、FF/VI 100/25mcg群で、プラセボと比較して1年あたり8mL 減少しました(p=0.019)。この試験では主要評価項目での統計学的な有意差は認められなかったため、この結果について統計学的有意性を推論することはできません。もう1つの副次的評価項目、治療期間中の心血管系(以下CV)イベント(心血管系疾患による死亡、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症、一過性脳虚血発作[TIA])の発現リスクは、FF/VI 100/25mcg 群で、プラセボ群と比較して7.4%低かったものの、統計学的な有意差は認められませんでした(p=0.475)。

また、この試験ではCOPDに関するその他の評価項目としてFEV1(気管支拡張剤投与後)、中等度/重度の増悪の発現率、最初の中等度/重度の増悪までの期間、重度(入院を要する)の増悪までの期間、重度(入院を要する)の増悪の発現率、健康に関する生活の質(12カ月時点のSt George’s Respiratory Questionnaire-COPDの合計スコア)、12カ月時点のCOPDアセスメントテスト(CAT)による健康状態などで、FF/VIの有効性をプラセボと比較検討し、分析しました。これらの評価項目に対し、FF/VI 群はプラセボ群よりも高い改善を示しました(それぞれの名目上のP値<0.002)。この試験では主要評価項目での統計学的な有意差は認められなかったため、この結果について統計学的有意性を推論することはできません。

有害事象で最も多かったもの(FF/VI 100/25mcg群での発現率が3%以上で、プラセボより高い頻度で認められたもの)は、鼻咽頭炎(FF/VI 100/25mcg群8.9%、プラセボ群7.5%)、上気道感染症(FF/VI 100/25mcg群6.3%、プラセボ群4.8%)、肺炎(FF/VI 100/25mcg群5.0%、プラセボ群4.6%)、背部痛(FF/VI 100/25mcg群4.3%、プラセボ群3.5%)、高血圧(FF/VI 100/25mcg群3.9%、プラセボ群3.3%)、インフルエンザ(FF/VI 100/25mcg群3.4%、プラセボ群2.9%)でした。

治療期間中の重篤な有害事象の発現率は、FF/VI 100/25mcg群23.2%、プラセボ群22.2%でした。特に注目すべき有害事象としては心血管系有害事象と肺炎に関連するすべての事象が集計されました。心血管系有害事象の発現率はFF/VI 100/25mcg 群17.8%、プラセボ群16.8%で、重篤な心血管系有害事象の発現率はFF/VI100/25mcg 群8.5%、プラセボ群7.7%でした。注目すべき有害事象としての肺炎の発現率はFF/VI 100/25mcg 群5.7%、プラセボ群5.2%で、うち重篤な有害事象に該当する事象はFF/VI 100/25mcg群3.4%、プラセボ群3.1%でした。

本試験の結果は、論文公表ならびに9月に開催される欧州呼吸器学会(ERS)国際会議等にて発表される予定です。

GSKのシニア・バイスプレジデントであり、グローバル呼吸器フランチャイズの責任者であるEric Dubeは「SUMMITは、これまで研究されてこなかった他疾患を併存している患者集団を対象に生存率を初めて検討した重要な試験です。主要評価項目では統計学的有意性が認められませんでしたが、この試験のデータセットは、呼吸器系学会や循環器系学会にとって有益な情報をもたらすことになると確信しています。「レルベア® 100エリプタ®」は適切なCOPD患者の治療において引き続き重要な役割を果たしていくと同時に、私たちは呼吸器領域のリーディングカンパニーとして、呼吸器疾患の治療のなかで医師や患者が直面する多くの課題に取り組んでまいります」と語っています。

本試験の責任医師である、Respiratory Medicine at the Centre for Respiratory Medicine and Allergy, University Hospital South Manchester NHS Foundation Trust, およびマンチェスター大学の教授Jørgen Vestbo氏は、「COPD患者はCVDを併発する場合が多いこと、それぞれの疾患が世界における主要な死因であることは長い間知られていることでした。SUMMIT試験は、これら2つの疾患の相互関係を検討する初めての前向き試験であり、COPDおよびCVDを併発している患者のすべての死因を含めた死亡の低下を実証するという意欲的な目標達成を設定しました。本試験は、この評価項目において統計学的に有意な改善を実証することはできませんでしたが、これら2つの疾患の相互作用を理解するのに役立つ価値あるデータ、そしてこのような患者の治療をどのように改善するかという展望を示しています」と語っています。

Theravanceの社長兼CEOであるMichael W. Aguiar氏は「今回の患者集団では統計学的に有意な生存期間の延長を示すことはできませんでしたが、これまで実施された中で最大規模の「レルベア®エリプタ®」 の試験であるSUMMIT試験のデータセットは、COPDにおける「レルベア® 100エリプタ®」の安全性および有効性についてさらなる自信をもたらしてくれるでしょう」と語っています。

SUMMIT試験について
The Study to Understand Mortality and MorbidITy(SUMMIT)in COPDは、CVDの既往歴またはリスクを有するCOPD患者における呼吸器治療の有効性を検証することを目的として実施された初の前向き試験です。

本試験は、プラセボ対照、二重盲検、無作為化、並行群間、多施設共同試験です。この試験では中等度の気流閉塞(予測1秒量(FEV1)の50%以上70%以下)をきたし、CVDの既往歴またはリスクを有するCOPD患者をFF/VI 100/25 μg群、FF 100 μg群、VI 25 μg群、プラセボ群の4つの二重盲検治療群に1:1:1:1の比率で無作為に割り付けました。すべての治療群でエリプタドライパウダー吸入器を使用し、1日1回吸入しました。両側検定5%有意水準で主要評価項目、副次的評価項目、その他の評価項目をすべて比較しました。

*すべての投与群で、試験にあたって提供したサルブタモール(短時間作用性β2刺激剤、「SABA」)の使用が認められました。試験期間中、被験者にCOPDの中等度の増悪が複数回、または重度の増悪が認められた場合、長時間作用性抗コリン剤(LAMA)、またはPDE 4阻害剤の使用が認められました。また、試験期間中にCOPDが増悪した場合の短期的な治療として経口ステロイド剤および抗生物質の使用も認められました。被験者は試験期間中、心血管系薬剤の使用継続も認められました。ただし、二重盲検試験期間中の吸入ステロイド剤(ICS)または長時間作用性β2刺激剤(LABA)の使用は認められませんでした。

主要評価項目は、全ての死因を含めた死亡までの期間とし、生存期間に対するFF/VI 100/25 μgの効果をプラセボと比較検討しました。副次的評価項目は、以下のとおりです。

FEV1で評価した肺機能の低下率に対するFF/VI 100/25 μgの効果をプラセボと比較検討しました。FEV1は1秒間の努力呼気量で、死亡に関連する疾患進行の指標として用いられます。
治療中の心血管系疾患による死亡、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症、一過性脳虚血発作(TIA)からなる心血管系複合評価項目に対するFF/VI 100/25 μgの効果をプラセボと比較検討しました。


本試験の詳細については、www.clinicaltrials.gov (NCT01313676)をご覧ください。

COPDおよびCVDについて
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、慢性気管支炎、肺気腫、またはその両方を含む肺疾患です。COPDは、正常な呼吸を妨げる気流閉塞を特徴としています。喫煙、受動喫煙、バイオマス燃料を含む大気汚染、化学ガスおよび埃はすべてCOPDの原因と考えられています。

COPDによる死亡率は上昇しており、全世界における死因の第3位となっています1。またCOPDは他の慢性疾患を併発していることも多く、疫学データによれば、全COPD患者のほぼ半数がCVDまたはCVのリスクを有しています2,3。CVDは、軽症から中等症のCOPD患者にとって最も死亡率が高い死因であり、15年にわたり実施された試験により、CVDを併発またはCVのリスクを有するCOPD患者の死亡率は、CVD を併発していないCOPD患者の2倍であることがわかっています3,4

FF/VI 100/25について
FF/VI 100/25 μg(製品名Breo® Ellipta® 100/25 μg)の、米国においての適応と重要安全性情報については以下URLからご覧ください。
https://www.gsksource.com/pharma/content/dam/GlaxoSmithKline/US/en/Prescribing_Information/Breo_Ellipta/pdf/BREO-ELLIPTA-PI-MG.PDF
FF/VI 100/25 μg(製品名Relvar® Ellipta® )の欧州においての適応と製品概要は、以下のURLからご覧ください。
http://ec.europa.eu/health/documents/community-register/html/h886.htm
RELVAR®、BREO®およびELLIPTA® はグラクソ・スミスクライン・グループの登録商標です。

日本におけるFF/VI 100/25 μg(製品名「レルベア® 100エリプタ®」)について
現在、日本において「レルベア® 100エリプタ®」は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の適応については承認を取得しておりません。

グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。詳細は、http://www.gsk.comをご覧ください。

Theravance, Inc. –is focused on bringing compelling new medicines to patients in areas of unmet need by leveraging its significant expertise in the development, commercialization and financial management of bio-pharmaceuticals. Theravance's portfolio is anchored by the respiratory assets partnered with Glaxo Group Limited (GSK), including RELVAR®/BREO® ELLIPTA® and ANORO® ELLIPTA®, which were jointly developed by Theravance and GSK. Under the agreement with GSK, Theravance is eligible to receive associated royalty revenues from RELVAR®/BREO® ELLIPTA®, ANORO® ELLIPTA® and, if approved and commercialized, VI monotherapy, as well. In addition, Theravance retains a 15% economic interest in future payments made by GSK for earlier-stage programs under the agreements with GSK. For more information, please visit Theravance's website at www.thrxinc.com.

GSKおよびTheravance,Inc.のforward-looking statementについては英国グラクソ・スミスクラインplcが発表したプレスリリースをご覧ください。
http://www.gsk.com/en-gb/media/press-releases/2015/gsk-and-theravance-announce-results-from-the-summit-copd-cv-survival-study/

引用文献

 1.World Health Organization. The Top 10 Causes of Death Factsheet 310, May 2014. Available at:
    http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs310/en/ Last accessed August 2015.
 2.Jones PW et al. Eur Respir J. 2013;42(Suppl 57):5036
 3.GSK Data on file HZC115058
 4.Johnston AK et al.Thorax 2008;63:599–605