GSK「肺動脈性肺高血圧症のアウトカム試験*において、アンブリセンタンとタダラフィルによる初回治療としての併用療法が単剤療法に比べて治療失敗のリスクを低減させた」と発表

<2014年9月8日 英国ロンドン発>

*死亡率の低下、疾患の発症率の低下、QOLの向上、副作用の低減などの薬剤の実際の効果を調べることを目的とした臨床研究

- アンブリセンタンとタダラフィルの併用療法を単剤療法と比較して行ったAMBITION試験において主要評価項目(初めて治療失敗のイベントがみられるまでの期間)を達成した

- 2014年度 欧州呼吸器学会議(ERS)にてデータが発表された

 

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2014年9月8日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

グラクソ・スミスクライン(以下、GSK)は、2014年9月8日付にて、Gilead Sciences, Inc.(ギリアド社)と共同で行った「未治療の肺動脈性肺高血圧症(以下、PAH)患者を対象に実施したアンブリセンタンとタダラフィルの併用療法を評価した第IIIb/IV相臨床試験」において、単剤療法(アンブリセンタンまたはタダラフィルの単剤)に対する併用療法の優越性を検討した結果、主要評価項目(初めて治療失敗がみられるまでの期間)を達成したと発表しました。患者に治療の失敗がみられるまでの期間は、単剤療法群に比べて初回治療として併用療法を行った群で有意に延長されました。

この無作為化二重盲検多施設共同試験(AMBITION試験)では、アンブリセンタン10 mgとタダラフィル40 mgの併用によるPAHの初回治療が、アンブリセンタン群とタダラフィル群の併合結果に比べて治療失敗のリスクを50%抑制することが示されました(ハザード比=0.502、p=0.0002)。さらに、主要評価項目においては、併用群でアンブリセンタンおよびタダラフィルの各群に比し、統計学的な有意差がみられました。

副次的評価項目のうち3つの評価項目(6分間歩行距離、十分な治療効果が認められた患者の割合、NT-proBNP(ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント)のベースラインからの変化)においても、 統計学的に有意な差が認められました。残る2つの副次的評価項目(WHO機能分類およびボルグ呼吸困難指数)については統計学的に有意な差に至りませんでした。重篤な有害事象の発現率および投与中止に至った事象の発現率はいずれの投与群でも同様でした。試験の詳細な結果は、2014年9月8日、欧州呼吸器学会議(ERS)の年次総会における口頭セッションで発表されました(Abstract #2916)。

イタリアのボローニャ大学肺高血圧症研究所長かつ心臓学教授であり、治験責任医師およびAMBITION試験運営委員会の共同議長であるNazzareno Galiè医師は次のように述べています。「AMBITION試験から得られた今回のデータは、PAH患者の治療における重要な前進の一つです。」、「初回からの併用療法が単剤療法に比較して治療失敗のリスクを50%抑制したということは、この併用療法が、WHO/NYHA機能分類クラスIIおよびIIIの未治療のPAH患者に対する標準治療となる可能性があるということです。」

GSKとギリアド社は、今後、このAMBITION試験のデータを米国や欧州連合(EU)、その他各国の規制当局に提出して、アンブリセンタンとタダラフィルの併用に関する適応の薬事申請を行うことを計画しています。(注:日本においては現在検討中です)

GSK稀少疾患研究開発部門長(Rare Diseases Research & Development)でシニアバイスプレジデントのCarlo Russoは次のように述べています。「この重篤かつ稀少な心肺疾患を抱える患者さんにさらに救いの手を差し伸べる取り組みの一環として、GSKとギリアド社は大きな一歩を踏み出すために共同で出資し、試験を実施しました。この試験は、アンブリセンタンとタダラフィルによる初回からの併用療法が、第一選択と考えられている各単剤療法と比較して有益であるか否かを評価する初めての試験でした。」、「協力してくださったすべての治験責任医師、治験チーム、そして特に、3年半に渡る試験に積極的に参加してくださった患者さんに感謝を申し上げたいと思います。近いうちに規制当局に薬事申請できることを私たちも心待ちにしております。」

アンブリセンタンおよびタダラフィルの併用療法としての用法・用量は世界のいずれの国においても薬事承認されていませんが、前臨床データは、この治療法に相乗効果がある可能性を示唆しています。

選択的エンドセリンA受容体拮抗薬アンブリセンタンとPDE5阻害薬タダラフィルは、欧州やその他の国々で、WHO/NYHA機能分類クラスIIおよびIIIのPAH(肺高血圧症臨床分類第1群)の患者に対する1日1回投与の治療薬としてそれぞれ承認されています。欧州において、アンブリセンタンは、「WHO機能分類クラスIIおよびIIIに分類される成人PAH患者における運動耐容能の改善」の適応を持っています。タダラフィルも「WHO機能分類クラスIIおよびIIIに分類される成人のPAHに対して運動耐容能の改善」の適応を持っています。

肺動脈性肺高血圧症(肺高血圧症臨床分類第1群)について
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺血管の狭窄により肺動脈の血圧が高くなる重篤な疾患です。肺動脈の血圧が高くなると、心臓が血液を肺に送り出して酸素を供給することが難しくなります。心臓はこの高い血圧に逆らって血液を送り出そうとするため、PAH患者は息切れを生じ、最終的に心不全で死亡します。PAHは原因不明で生じることもあれば、結合組織疾患、先天性心疾患、肝硬変、HIV感染などの疾患に伴って生じることもあります。PAHの患者数は世界全体で約20万人とされています。

AMBITION試験についてAMBITION試験は、GSKとギリアド社が共同で実施した試験です。イーライリリー・アンド・カンパニーも資金援助しており、治験用のタダラフィルの提供を行いました。

AMBITION試験は、WHO/NYHA機能分類クラスIIおよびIIIで未治療のPAH患者を対象に、初回治療としての併用療法(アンブリセンタンおよびタダラフィル)の安全性および有効性を初回療法としての単剤療法(アンブリセンタンまたはタダラフィル)と比較することを目的とした無作為化二重盲検第IIIb/IV相試験です。この試験において500人の患者が、2:1:1の割合でアンブリセンタンとタダラフィルの併用群(n=253)、アンブリセンタン群(n=126)(5 mgから10 mgへ漸増、1日1回投与)、タダラフィル群(n=121)(20 mgから40 mgへ漸増、1日1回投与)のいずれかに無作為に割り付けられました。主要評価項目は治療失敗のイベントが初めてみられるまでの期間とし、この定義は、患者の割付時から初めて“死亡(あらゆる原因を含む)、PAHの増悪による入院、病状の進行、効果が長期にわたり不十分であるという判断(各イベントは独立した委員会が盲検的に判定)”の事象が起きるまでの時間としました。

初めて治療失敗がみられるまでの期間に影響を与えた主な項目は、併用療法による入院の減少であったことが解析の結果示されました。

アンブリセンタンおよびタダラフィルの併用療法において、各薬剤の単剤療法でみられる有害事象以外の新たな有害事象はみられませんでした。各単剤療法群よりも併用療法群で高い頻度でみられた有害事象は、末梢性浮腫(併用群:46%、アンブリセンタン群:33%、タダラフィル群:28%)、頭痛(併用群:42%、アンブリセンタン群:33%、タダラフィル群:35%)、鼻閉(併用群:21%、アンブリセンタン群:15 %、タダラフィル群:12%)、貧血(併用群:15%、アンブリセンタン群:6%、タダラフィル群:12%)でした。

アンブリセンタンおよびタダラフィルについて
GSKは米国以外の国々においてアンブリセンタンをVolibris®の商品名で販売し、ギリアド社は米国においてアンブリセンタンをLetairis®の商品名で販売しています。アンブリセンタンは、オーストラリア、欧州、日本、韓国、米国でPAH治療に対しオーファンドラッグの指定を受けています。GSKはさらに、欧州においてAdcirca®商品名でタダラフィルのプロモーションを行うライセンス契約をイーライリリー・アンド・カンパニーと結んでいます。

アンブリセンタンおよびタダラフィルの承認されている適応症および欧州製品概要(SPC)については、以下をご覧ください。
www.ema.europa.eu

Letairis®とVolibris®はギリアド社または同社関連会社の登録商標です。
Adcirca®はイーライリリー・アンド・カンパニーの登録商標です。

欧州連合におけるアンブリセンタンおよびタダラフィルに関する重要な安全性情報
以下の重要な安全性情報は、アンブリセンタンおよびタダラフィルの製品概要(SPC)に基づくものです。アンブリセンタンおよびタダラフィルに関して記載されているすべての安全性情報については、完全版のSPCをご覧ください。

アンブリセンタン
アンブリセンタンは、本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には禁忌です。

アンブリセンタンは妊婦に禁忌です。動物試験では、アンブリセンタンに催奇形性が認められていますが、ヒトにおける経験はありません。アンブリセンタン投与を受ける女性には、胎児への害について、また、妊娠した場合に開始する代替療法について伝える必要があります。アンブリセンタンがヒトの母乳に排出されるかどうかは分かっていません。アンブリセンタンの乳への排出について、動物試験は行われていません。したがって、アンブリセンタンの投与を受けている患者において授乳は禁忌です。

男性については、アンブリセンタンを含むエンドセリン受容体拮抗薬(ERA)の長期投与に関連する精巣管萎縮がオスの動物で認められています。

WHO機能分類クラスIのPAHにおける有効性及び安全性のバランスを確立するための、十分な患者数を対象としたアンブリセンタンの試験は行われていません。

PAHに関連した肝機能異常が認められています。基礎にある自己免疫性肝炎の増悪兆候を含む自己免疫性肝炎、肝障害、治療に関連している可能性のある肝酵素上昇に一致する症例が、アンブリセンタン投与時に観察されています。したがって、アンブリセンタンの投与開始前には、肝アミノトランスフェラーゼ(ALTおよびAST)の検査を実施する必要があります。ALT および/または AST の検査値が基準値上限の 3 倍を超える患者にはアンブリセンタン投与を開始できません。

アンブリセンタン投与時に高頻度にみられた副作用は末梢性浮腫、体液貯留、頭痛(副鼻腔炎に伴う頭痛、片頭痛を含む)でした。

タダラフィル
タダラフィルは、その有効成分や添加剤のいずれかに過敏性である患者には禁忌です。

タダラフィルは、急性心筋梗塞の既往歴が最近90日以内にある患者および重度の低血圧(<90/50 mm Hg)である患者には禁忌です。

臨床試験において、タダラフィルは硝酸の降圧作用を増強させることが分かっています。これは、一酸化窒素/cGMP経路に対する硝酸とタダラフィルの複合効果によるものと考えられています。したがって、何らかの有機硝酸薬を使用している患者に対するタダラフィルの投与は禁忌となっています。

タダラフィルは、非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)により片目を失明している患者(それが過去のPDE5阻害薬投与に関連しているかどうかにかかわらず)には禁忌です。タダラフィルやその他のPDE5阻害薬の投与に関連したNAIONの発現およびそれに起因する視覚障害が報告されています。突然の視覚障害があらわれた場合はすぐに医師に相談するよう患者に勧告する必要があります。網膜色素変性症を含む既知の遺伝性変性網膜疾患がある患者は臨床試験に参加していなかったため、これらの患者に対するタダラフィルの投与は推奨されません。

以下のような心血管疾患を有する患者は、PAHの臨床試験に参加していませんでした。

  • 臨床的に重要な大動脈弁および僧帽弁疾患を有する患者
  • 心膜収縮を有する患者
  • 拘束型/鬱血性心筋症を有する患者
  • 重症の左室機能障害を有する患者
  • 生命を脅かす不整脈を有する患者
  • 症候性冠動脈疾患を有する患者
  • 管理不良高血圧を有する患者

上記患者におけるタダラフィルの安全性に関する臨床データはないため、これらの患者に対するタダラフィルの投与は推奨されません。

タダラフィルの血漿中濃度(AUC)が上昇すること、臨床経験が限られていること、透析によるクリアランスの促進が期待されないことから、重度の腎障害を有する患者に対するタダラフィルの投与は推奨されません。

重度肝硬変患者(Child-Pugh Class C)はこれまで試験の対象となっていないため、タダラフィルの投与は推奨されません。

リファンピシンなど、CYP3A4を強く誘導する薬剤を長期的に投与している患者に対するタダラフィルの投与は推奨されません。ケトコナゾールやリトナビルなど、CYP3A4を強く阻害する薬剤を併用中の患者に対するタダラフィルの投与は推奨されません。

勃起不全に対するタダラフィルとその他のPDE5阻害薬やその他の治療薬との併用については、試験が行われていません。患者には、これらの治療薬をタダラフィルと併用しないよう伝える必要があります。

タダラフィルとプロスタサイクリンまたはその類似物質との併用の有効性および安全性については、対照臨床試験で検討されていません。したがって、併用する場合は慎重に行う必要があります。

すでにボセンタン投与を受けている患者に対するタダラフィルの有効性は、十分に検討されていません。

タダラフィルには乳糖水和物が含有されています。ガラクトース不耐症、Lapp乳糖分解酵素欠乏症、ブドウ糖-ガラクトース吸収障害といった、稀少な遺伝的問題を抱える患者には、タダラフィルを投与できません。

タダラフィル40 mg投与群に高頻度に(患者の10%以上)みられた副作用は、頭痛、悪心、背痛、消化不良、潮紅、筋痛、鼻咽頭炎、四肢痛でした。報告された副作用は一時的で、概して軽度または中等度のものでした。75歳以上の患者における副作用データは限られています。

 

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