抗悪性腫瘍剤 「タイケルブ®」の 全例調査の承認条件解除について

グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:フィリップ・フォシェ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、抗悪性腫瘍剤「タイケルブ® 錠250mg」(一般名:ラパチニブトシル酸塩水和物、以下「タイケルブ®」)に関し、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において使用成績調査(全例調査)の結果が報告され、厚生労働省より承認条件解除の連絡を受けましたのでお知らせいたします。

「タイケルブ®」は 2009年4月22日に「HER2過剰発現が確認された手術不能又は再発乳癌」に対する効能・効果を取得しており、その際の承認条件1として使用成績調査(全例調査)が付されておりました。

1承認条件:国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

今回の承認条件の解除は、厚生労働省に提出した本調査の集計結果(3,864例)の患者さんにおける安全性および有効性について、承認条件である使用成績調査が適切に実施され、本剤の適正使用に必要な措置が講じられ、更なる調査等の実施は必要ないと考えられたことから決定されたものです。

この度の承認条件解除についてGSKの社長 フィリップ・フォシェは次のように述べています。
「タイケルブ®の全例調査は、多くの臨床の先生方にご協力いただいてデータを集積し、このたび承認条件解除を迎えることができました。収集されたデータは、実臨床に基づく貴重な安全性ならびに有効性データとして、医療関係者の皆様に情報を提供していくとともに、引き続き本剤のさらなる適正使用を推進してまいります。」

「タイケルブ®」について
「タイケルブ®」は、グラクソ・スミスクライン社で開発された新規のチロシンキナーゼ阻害薬です。細胞増殖促進のシグナル伝達を活性化するHER(ErbB受容体)ファミリーのなかのEGFR(ErbB1)とHER2(ErbB2)の2種類の受容体型チロシンキナーゼに対して、細胞内において選択的かつ可逆的な阻害作用を示し、腫瘍細胞の増殖を抑制します。特にHER2は乳がん患者さんの予後不良因子として認識されており、「タイケルブ® 」は2014年7月時点で、HER2過剰発現を示す進行性又は転移性乳がんの効能・効果にて74の国・地域で承認されています。
日本においては、2009年4月22日に乳がん治療領域で初めての経口分子標的薬として承認を取得し、同年6月19日に発売を開始しました。

<参考資料> 
1. 全例調査について
<目的>
本剤の市販後における使用実態の把握と使用した患者の背景情報を把握するため、本剤の安全性及び有効性に関して一定数のデータを収集する。

<対象>
本剤の効能・効果である「HER2過剰発現が確認された手術不能又は再発乳癌」を有する患者で、本剤を初めて投与された患者

<重点調査項目>
1) 心障害、肝障害を有する患者の副作用発現症例
2) 心機能異常(駆出率低下等)、間質性肺疾患、肝機能異常、発疹並びに皮膚異常、及び下痢
3) 本剤とカペシタビンを併用した場合の副作用発現リスク

2. 全例調査の解析結果について

  • 本調査では、2009年6月19日~2013年10月4日までに4,596例が登録された。このうち、3,874例の調査票が固定され、安全性解析対象症例は3,864例であった。
  • 投与を中止・終了した症例の割合は80.67%(3,117/3,864例)であった。その理由は原疾患の増悪が50.36%(1,946/3,864例)と最も多く、次いで有害事象15.61%(603/3,864例)、原疾患による死亡5.36%(207/3,864例)であった。
  • 副作用は2,881例8,068件報告され、副作用発現症例率は74.56%(2,881/3,864例)であった。うち、重篤な副作用は464例693件報告され、その発現症例率は12.01%(464/3,864例)であった。
  • 本調査の副作用発現症例率は、承認時までの状況と比較しておおむね低く、発現症例率の高い副作用の種類(「下痢」、「手掌・足底発赤知覚不全症候群」、「発疹」等)に特異な変化は認められなかった。