分子標的薬「ヴォトリエント®錠」 腎細胞がんに対する効能・効果で承認取得 ~根治切除不能又は転移性の腎細胞がんの初回治療に新たな選択肢~

グラクソ・スミスクライン株式会社(社長:フィリップ・フォシェ、本社:東京都渋谷区、以下GSK)は、3月17日付で、同社の分子標的薬「ヴォトリエント®錠200mg」(パゾパニブ塩酸塩、以下「ヴォトリエント®」)について、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する効能・効果で厚生労働省より適応追加の承認を取得しました。

この度の承認は、海外第III相試験(VEG105192試験)および日本も参加した国際共同第III相試験(COMPARZ試験)の有効性および安全性の結果に基づくものです1, 2

無作為化二重盲検プラセボ対照海外第III相試験(VEG105192試験)は、未治療又はサイトカイン治療で奏効しなかった進行性または転移性の腎細胞がん患者を対象に「ヴォトリエント®」800 mgを1日1回経口投与したときの有効性及び安全性について「ヴォトリエント®」とプラセボとを比較しました。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の解析において、「ヴォトリエント®」群ではプラセボ群と比較して統計学的に有意なPFSの延長が認められました。

また、日本も参加した無作為化非盲検並行群間非劣性試験である国際共同第III相試験(COMPARZ試験)は、進行性または転移性腎細胞がんに対する全身治療歴のない患者1,110名を「ヴォトリエント®」群またはスニチニブ群に無作為割り付けし、「ヴォトリエント®」を800 mg/日、またはスニチニブ50 mg/日を4週間投与後、2週間休薬で投与したときの有効性および安全性を評価しました。主要評価項目のPFSの中央値は、「ヴォトリエント®」群で8.4ヵ月、スニチニブ群で9.5ヵ月であり、「ヴォトリエント®」のスニチニブに対する非劣性が認められました。PFSのハザード比は1.0466(95%CI:0.8982~1.2195)でした。 また、副次評価項目の一つである奏効率(ORR)は、「ヴォトリエント®」群で31%、スニチニブ群で25%と「ヴォトリエント®」群で統計学的に有意差が認められました。(p = 0.032、Fisherの直接確率検定)

以上の有効性の結果より、「ヴォトリエント®」は進行性または転移性腎細胞がんに対する初回治療としての抗腫瘍効果が認められました。また、「ヴォトリエント®」は、スニチニブに対する非劣性が示された唯一の薬剤となりました。

さらに、海外第III相試験(VEG105192試験)および国際共同第III相試験(COMPARZ試験)において、「ヴォトリエント®」の管理可能な安全性プロファイルが確認されました。

GSKの社長 フィリップ・フォシェはこの度の「ヴォトリエント®」の承認について次のように述べています。
「悪性軟部腫瘍に続き、腎細胞がんに関する承認を取得でき大変嬉しく思います。ヴォトリエント®が進行性腎細胞がんのファーストラインの新たな治療の選択肢として日本の患者さんの満たされていない医療ニーズに応え、臨床現場での治療に新たな展望が開かれることを期待しています。GSKは、がん領域においても他の国と同様に革新的な新薬を日本の患者さんに提供すべく努力を続けています。」

「ヴォトリエント®錠200mg」について
「ヴォトリエント®」は、グラクソ・スミスクライン社が発見・開発したマルチキナーゼ阻害薬です。「血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)」、「血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)」、「幹細胞因子受容体(c-Kit)」という主に3つの標的に作用し、血管内皮細胞の増殖を抑制し、血管新生を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示します。本剤は、進行性腎細胞がんに対する治療薬として2009年に米国で初めて承認を取得して以来、世界80ヵ国以上で承認を取得しています。また、進行性悪性軟部腫瘍の治療薬としても世界40ヵ国以上において承認を取得しています。本邦では、悪性軟部腫瘍の効能・効果にて2012年9月に厚生労働省より製造販売承認を取得し、2012年11月より販売しています。

「ヴォトリエント®」の製品概要
*腎細胞癌の適応追加についてのみ記載

製品名 「ヴォトリエント®錠200mg」
一般名 パゾパニブ塩酸塩
承認取得日 2014年3月17日(根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の適応)
効能・効果 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
用法・用量 通常、成人にはパゾパニブとして1日1回800mgを食事の1時間以上前又は食後2時間以降に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。


適正使用の推進について
GSKでは、患者さんの安全性確保と「ヴォトリエント®」の適正使用の推進を最優先に考えています。

  • 本剤発売後の一定期間は、使用実態下での安全性および有効性の確認、ならびに問題点等の把握のために使用成績調査を実施します。本調査から得られた新たな情報により、迅速な安全性対策を講じ、適正使用の推進を図ります。
  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行われるよう徹底します。また治療開始に先立ち、患者さん又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得た上でご使用いただくようお願いしてまいります。


「ヴォトリエント®錠200mg」の安全性について
腎細胞がん患者を対象とした海外第III相試験(VEG105192試験)および日本も参加した国際共同第III相試験(COMPARZ試験)において、本剤を投与された844例中(日本人29例を含む)795例(94.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告されました。その主なものは、下痢451例(53.4%)、高血圧361例(42.8%)、疲労324例(38.4%)、肝機能障害296例(35.1%)、悪心286例(33.9%)、毛髪変色278例(32.9%)、食欲減退244例(28.9%)、味覚異常184例(21.8%)、嘔吐181例(21.4%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群175例(20.7%)でした。

腎細胞がんについて
成人の腎臓に発生する悪性腫瘍のうち約90%が腎細胞がんです。本邦における腎細胞がんの罹患者数は年間7,437人3、罹患率は10万人あたり11.8人とされています4

 

生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。

参考:
1. Sternberg CN, et al. Pazopanib in Locally Advanced or Metastatic Renal Cell Carcinoma: Results of a Randomized Phase III Trial. J Clin Oncol 2010; 28: 1061-68.
2. Motzer RJ, Hutson TE, Cella D, et al. Pazopanib versus Sunitinib in Metastatic Renal Cell Carcinoma. N Engl J Med 2013; 369:722-731August 22, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1303989
3. 日本泌尿器科学会. 腎癌診療ガイドライン. 2011年版 ed. :金原出版株式会社; 2011.
4. Marumo K, Kanayama H, Miyao N, et al. Prevalence of renal cell carcinoma: A nation-wide survey in Japan, 2002. Int J Urol. 2007;14:479-82.