GSKとProsensa社、デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者を対象にしたdrisapersenのフェーズIII臨床試験が主要評価項目を達成しなかったことを発表

この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2013年9月20日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2013年9月20日、イギリス ロンドン、オランダ ライデン発>

グラクソ・スミスクライン(以下、GSK)とProsensa社は、本日、アンチセンス・オリゴヌクレオチドのdrisapersenに応答する遺伝子変異のあるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者さんを対象としたGSKのフェーズIII臨床試験(DMD114044)の結果を発表しました。その結果は、主要評価項目である6分間歩行距離(6MWD)がプラセボと比較してdrisapersenで統計的に有意な改善に達しなかったというものです。

この二重盲検プラセボ対照試験では、計186名の男児に対して無作為に割付けを行い、体重1キロ当たり6ミリグラムのdrisapersen(125名)、またはプラセボ(61名)を週1回、48週間にわたって皮下投与しました。その結果、6MWDにおいてdrisapersen群とプラセボ群との間に統計的な有意な差は認められませんでした(両群間の平均値の差:10.33 m、信頼区間:-14.65~35.31、t検定:p値0.415)。10 m歩行/走行テスト、階段4段の昇降テスト、およびNorth Star歩行評価といった主要な運動機能に基づく副次的評価項目においても、治療による差は認められませんでした。

最も多く報告された有害事象は、注射部位反応(drisapersen 78%、プラセボ 16%)、腎臓に関する有害事象(無症候性蛋白尿など、drisapersen 46%、プラセボ 25%)でした。血小板減少症はみられませんでした。

本年末までには、全試験を対象としたdrisapersen投与群のベネフィット/リスクプロファイルの完全な評価を完了させる予定です。これにはdrisapersenに関する各種試験から集積した結果の解析が含まれます。

GSKの稀少疾患事業ユニットの研究開発責任者であるシニア・ヴァイスプレジデントのカルロ・ルッソーは次のように述べています。
「この結果はDMDの男の子とその家族を失望させるものかもしれません。この試験に参加してくださった方々のすべてに心から感謝の意を表します。私たちはこの疾患領域の専門家とともに開発の全体プログラムを再検討する中で本試験のアウトカム評価に取り組んでいきます。それによってdrisapersenの次のステップへの手掛かりとなる情報が得られると期待しています。このような進め方が結果的にDMDの男児の助けとなることを望んでいます。」

Prosensa社の最高経営責任者(CEO)のハンス・スキカンは次のように述べています。
「この試験が主要評価項目に達しなかったことは残念ですが、私たちは引き続き全体プログラムの評価に取り組み、GSKと引き続き密接に連携して行く予定です。DMD患者さんには長期的に利用できる修飾治療が全くないことから、可能性のある治療選択肢の研究開発を行うことはこの疾患に苦しむ障害をもった男児とその家族にとって非常に重要です。」

試験結果は今後、学会で発表されることになっており、さらに論文審査のある科学専門誌にも投稿される予定です。

なお、drisapersenによる治療を承認または認可している国はありません。

drisapersenについて
drisapersen(旧GSK2402968/PRO051)は、DMDにおいてエクソン51スキッピングを誘発させるアンチセンス・オリゴヌクレオチドであり、現在、後期開発段階にあります。

GSKは2009年にdrisapersenの開発と商品化についてProsensa社から独占的権利を取得しました。drisapersenは欧州、米国および日本においてオーファンドラッグとして指定されています。また、2013年6月には米国食品医薬品局(FDA)によりBreakthrough Therapy(ブレークスルー・セラピー)の指定を受けました。

drisapersenに関して、進行中の臨床試験の詳細については、www.clinicaltrials.gov をご参照ください。

drisapersenの臨床開発プログラムについて
臨床プログラムの全体は3つの早期試験(PRO051-01、PRO051-02および DMD114673)と3つの二重盲検プラセボ対照試験(DMD114117、DMD114876および DMD114044)で構成されています。DMD114117によるフェーズII試験の結果は、2013年4月にコールドスプリング・ハーバーで発表され、http://www.gsk-clinicalstudyregister.com/ に掲載されています。DMD114876によるフェーズII試験の結果は、2013年9月25~27日に米国ワシントンで開催されるDIA/FDAオリゴヌクレオチド会議、ならびに本年度に開催されるその他の学会で発表される予定です。

この臨床試験プログラムには、DMD114117およびDMD114044を終了後の男児を対象にした非盲検による継続試験であるDMD114349も含まれます

DMDについて
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、出生男児3,500人に1人の割合で発症する重度に支障を来す小児の神経筋疾患です。この稀少疾患は、ジストロフィン遺伝子の変異が原因で、ジストロフィン蛋白の欠如あるいは欠損をもたらします。

患者さんは、ジストロフィン蛋白の欠如あるいは欠損のために筋力の低下が進行し、多くの場合12歳になるまでに車椅子の生活となります。呼吸筋や心筋にも影響を及ぼすこともあります。30歳まで生きられる患者さんはほとんどいません。

エクソン・スキッピングについて
ジストロフィン遺伝子は体内で最大の遺伝子で、79ものエクソンにより構成されています。エクソンとはタンパク質の部品を作るために必要な発現遺伝子の設計図のようなものです。DMDでは、特定のエクソンが変異を起こしていたり、欠損していることでその先の遺伝子(DNA)にてRNAへの読み取りが止まってしまいます。このため残りのエクソンを読み取ることができず、機能しないジストロフィン蛋白が生成し、重篤な症状が発現します。

DMDの治療法として、現在ではRNAに基づく治療、特に、エクソンスキップの誘発を含むアンチセンス・オリゴヌクレオチドの開発が進んでいます。この技術は、合成したアンチセンス・オリゴヌクレオチドというDNAの断片を使って特定の欠陥のあるエクソンを飛ばして読むことで(スキッピング)、遺伝子(DNA)からRNAへの読み取りを修正し、新たにジストロフィン蛋白を生成させるものです。DMDに罹患している男性患者さんのうち、最大で13%がエクソン51スキップに応答するようなジストロフィン遺伝子の変異や欠損を有していると考えられています。

 

生きる喜びを、もっと Do more, feel better, live longer
グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。詳細はwww.gsk.com をご覧ください。

Prosensa社(NASDAQ:RNA)はオランダのバイオ医薬品企業で、特に遺伝子疾患を治療するためのRNA修飾療法の創薬と開発に注力しています。Prosensa社は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィーおよびハンチントン病など、満たされていない大きな医療ニーズのある稀少な神経筋・神経変性疾患に焦点を当てています。

Prosensa社の現在のポートフォリオにはDMDの治療に用いる6種類の化合物が含まれ、そのすべてが米国および欧州連合でオーファンドラッグに指定されています。これらの化合物にはエクソン・スキッピングと呼ばれる革新的な技術が用いられており、これにより異なった病態を持つDMD患者さんを個別に治療するための医療を提供できるようになります。
www.prosensa.com