転移性腎細胞がん患者を対象に ヴォトリエント®(パゾパニブ)とスニチニブを直接比較した試験結果が New England Journal of Medicine誌に掲載

グラクソ・スミスクラインplc(以下、GSK)は、本日、第III相、無作為化、非盲検試験であるCOMPARZ試験(NCT000720941、COMParing the efficacy, sAfety and toleRability of paZopanib vs. sunitinib)の結果がNew England Journal of Medicine誌[2013年8月22日]に掲載されたことを発表しました1。パゾパニブとスニチニブを直接比較したCOMPARZ試験では、無増悪生存期間(PFS)においてパゾパニブのスニチニブに対する非劣性が検証され、主要評価項目を達成しました。本試験の対象患者は、進行性または転移性腎細胞がん(mRCC)に対する全身療法の治療歴がない、淡明細胞型の組織型を有する転移性腎細胞がん患者でした。

本試験では、患者1,110名をパゾパニブ群またはスニチニブ群に無作為割り付けし、それぞれ承認用量(パゾパニブ:800 mg/日、スニチニブ:50 mg/日を4週間投与後、2週間休薬)で投与しました。両群とも、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで、あるいは同意撤回のいずれかまで治験薬の投与を継続しました。主要評価項目はPFSとし、副次評価項目は全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、奏効期間、健康に関連する生活の質(QoL)、安全性、病状の負担および患者から報告された医療資源利用度としました。

独立判定委員会による判定の結果、スニチニブに対するパゾパニブのPFSのハザード比は1.05[95%信頼区間(CI):0.90-1.22]でした。なお、事前に設定した非劣性基準は、両側95%信頼区間の上限が1.25未満でした。PFSの中央値はパゾパニブ群で8.4ヵ月(95% CI:8.3-10.9)、スニチニブ群で9.5ヵ月(95% CI:8.3-11.1)でした。

副次評価項目であるORR(独立判定委員会による判定)は、パゾパニブ群で31%、スニチニブ群で25%でした(p = 0.03)。OSのデータを解析した結果、スニチニブに対するパゾパニブのOSのハザード比は0.91(95% CI:0.76-1.08、p = 0.28)でした。OSの中央値はパゾパニブ群で28.4ヵ月(95% CI:26.2-35.6)、スニチニブ群で29.3ヵ月(95% CI:25.3-32.5)でした。

この他に、QOLについて4つの評価ツールを用いて評価したところ、パゾパニブ群では、14項目中11項目で統計学的に有意に良好な結果が得られましたが、被験者が有効な変化があったと感じる最小の差異には達しませんでした。QOL指標として疲労、口・喉の痛み、手足の痛みを評価しました。

本試験で報告された主な有害事象(発現率30%以上、グレードは問わない)は、下痢(パゾパニブ:63%、スニチニブ: 57%)、疲労(55%、63%)、高血圧(46%、41%)、悪心(45%、46%)、食欲減退(37%、37%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)増加(60%、43%)、毛髪変色(30%、10%)、手足症候群(29%、50%)、味覚変化(26%、36%)および血小板減少症(41%、78%)でした。

重篤な有害事象の発現率は、パゾパニブ群で42%、スニチニブ群で41%でした。パゾパニブ群で3%以上の患者に認められた重篤な有害事象は、ALT増加およびAST増加であり、スニチニブ群で3%以上の患者に認められた重篤な有害事象は、発熱および血小板減少症でした。死亡に至った有害事象が認められた被験者は、パゾパニブ群で13名(2%)、スニチニブ群で19名(3%)でした。発現率が極めて高い死亡に至った有害事象はありませんでした。死亡に至った有害事象が認められた被験者のうち11名[パゾパニブ群:3名(1%未満)、スニチニブ群:8名(1%)]は、治験責任医師により因果関係ありと判断されました。

GSKの専務取締役 開発本部長 高橋 希人は次のように述べています。
「本試験は、パゾパニブと腎細胞がんの治療薬であるスニチニブを直接比較検討するという目的を果たした試験です。本試験の結果がNew England Journal of Medicine誌に掲載されたことは大変喜ばしく、この試験の結果から臨床現場での治療選択肢に新たな展望が開かれることを期待しています。」

ヴォトリエント®(パゾパニブ)について
ヴォトリエント®(パゾパニブ)は、2009年10月に進行性腎細胞がん(aRCC)の治療の適応で最初に米国食品医薬品局から承認を受け、2010年6月に欧州で条件付き承認を取得しています。なお、欧州ではヴォトリエントの条件付き承認はすでに解除されており、現在、世界85ヵ国以上で承認されています。ヴォトリエントの臨床試験において、重度の肝毒性が発現し、死亡に至った例も報告されています。定期的に肝機能検査を実施し、異常が認められた場合には、添付文書等の指示に従って休薬、減量または投与中止を行ってください。ヴォトリエントの投与により発現する可能性のある重篤な副作用は、肝毒性、QT間隔延長およびtorsades de pointes、心機能障害、出血性事象、動脈および静脈血栓性事象、消化管穿孔および瘻孔、可逆性後白質脳症症候群、高血圧、創傷治癒遅延、甲状腺機能低下症、蛋白尿、感染症、他の抗がん療法との併用による毒性の悪化、胎児の障害などです。ヴォトリエントを投与された進行性腎細胞がん患者に認められた主な副作用(発現率20%超)は、下痢、高血圧、毛髪変色(色素脱失)、悪心、食欲不振および嘔吐でした。

なお、日本において、ヴォトリエントの腎細胞がんに対する適応は現時点では承認されていません。

 

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参考
1. Motzer RJ, Hutson TE, Cella D, et al. Pazopanib versus Sunitinib in Metastatic Renal Cell Carcinoma. N Engl J Med 2013; 369:722-731August 22, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1303989