グラクソ・スミスクライン 2010年度業績発表 戦略が功を奏しプラスの実質成長率を推進、開発パイプラインのポテンシャルを高めキャッシュ創出力を向上 配当の増加と新たな長期的自社株買い付けプログラムが株主への還元を向上

グラクソ・スミスクラインplc(GSK)は2月3日(ロンドン現地時間)、2010年度の業績を発表しました。

2011年2月3日英国ロンドン発

グラクソ・スミスクラインplc(GSK)は2月3日(ロンドン現地時間)、2010年度の業績を発表しました。概要は以下の通りです。

単位:£mは百万英ポンド、pは英ペンスを表す

* リストラクチャリング・コストを除く業績では、グループの業績を評価するために、2007年10月に開始した新しいオペレーショナル・エクセレンス・プログラムに関係する組織改定や2007年12月に行なったReliant Pharmaceuticalsの買収および2009年7月に行ったStiefelの買収に伴う費用を除いた指標で発表を行っています。これらの事項を含んだ業績は、その規模と性質のため、比較対照する数値としての意味が限定されてしまいます。従って、除いたものの方が、株主にとってGSKグループの業績を把握しやすくなり、将来の業績を予測しやすくなると判断しています。グループの業績は、CERベース(恒常為替レート:業績をポンド換算する為替レートが前年同期と同じと仮定した場合の伸び率を表わす)で表示されます。業績の解説は特別に明示されていない限り、CERベースにより示されています。

2010年度業績概要
  • 投資収益率および資金配分に引き続き注力
    • リストラクチャリングによるベネフィット17億ポンドを達成。2012年の22億ポンドの目標に向けて順調に推移。
    • 投資効果により新興市場、ワクチン、コンシューマーヘルスケアの売上が増加。
    • コンシューマーヘルスケア事業は重点ブランドと新興市場に今後一層注力。年間売上が約5億ポンドの非主要OTCブランドは、導出予定。
  • 実質成長領域が多様
    • 2010年度の総売上は1%減、実質成長率は4.5%増*
    • 2010年度の全体の売上に欧米先進国市場が占める割合は25%(2007年は40%)。
    • 2011年も実質成長が伸び続ける予定で、2012年はCERベースで業績が回復する予定。
  • 開発パイプラインのポテンシャルの向上
    • 後期開発段階に最大30品目を維持。
    • 過去1年間で10の新規化合物よびワクチンがフェーズ3に進む。
    • 呼吸器系領域では、持続型β2受容体作動薬(LABA)/持続型ムスカリン拮抗薬(LAMA)配合剤が慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬としてフェーズ3に進む。
    • 2012年末までに最大15品目のフェーズ3データを入手予定。
  • キャッシュ創出力の向上
    • 営業活動による調整後の純キャッシュインフローは9%増の88億ポンド(訴訟関連費用のためのキャッシュアウトフロー20億ポンドを除く)
    • 純負債は89億ポンドで、2009年度と比較して6億ポンド減。
    • 運転資金向上プログラムにより純キャッシュ13億ポンドを創出(新型インフルエンザ関連製品の売掛金6億ポンドの減少を含む)
  • 株主への還元を向上
    • 2010年度の配当は7%増の65ペンス。今後の成長を実現することが最優先。
    • 長期的自社株買い付けプログラムを開始(2011年は10億-20億ポンドを予定)。

 

GSKの戦略課題

GSKは、成長の促進、リスクの削減、長期的財務業績の向上を目指して3つの戦略課題の遂行に取り組んでいます。

  • ビジネスを世界規模で多様化させ、成長させる
  • より多く、価値のある製品を届ける
  • 制度・仕組みの簡素化をはかる

CEOレビュー

私たちは、過去2年半で大規模なリストラクチャリングや収益性をベースにした厳格な資金配分を通じてGSKのビジネスモデルを大きく改革してきました。

また、長年にわたる訴訟案件を抱えており、これに要する引当金は膨大であることは間違いありません。
しかし、私は、過去から引き継がれてきたこの予測不可能な事柄を解決し、全体的な訴訟に伴う不利益を抑えることが会社にとって最善の利益であると考えています。

これまで行ってきた変革は、実質成長領域を多様化させ、開発パイプラインのポテンシャルを高め、キャッシュ創出の向上をもたらしました。

これらは、私たちが市場において認識したチャレンジに対応し、継続して財務的業績を上げて行くために実行している戦略の中心的な要素です。また、同時に、これまで構築してきたことが、バランスがとれ、リスク要因を減らしながら相乗効果が得られるビジネスであり、開発パイプラインのポテンシャルを十分に引き出すことができるビジネスであることを表しています。

これら全ては、配当の継続した増加や、本日開始した長期的自社株買い付けプログラムなど他の対策を通じて株主への還元を高めていくという目標を達成するために行っているものです。

投資収益率および資金配分に引き続き注力

弊社のリストラクチャリング・プログラムによるコスト節減とそれを原資とした再投資により、GSKの売上のベースを多様化・強化させることが可能となりました。2008年以降、先進国における営業・マーケティング、管理部門、研究開発と生産部門のインフラ整備により17億ポンドのコストを引き出すことができました。
2012年までに22億ポンドの年間コスト節減の達成に向けて順調に推移しています。
収益が低い活動にかかるコストを新興市場やワクチン、コンシューマーヘルスケアなどの領域に再投資した結果、そのベネフィットがはっきりと表れました。これらの領域での2010年度の売上は、それぞれ22%増、15%増、5%増でした。新型インフルエンザ関連製品、「アバンディア」および「バルトレックス」の売上を除くと新興市場の実質売上は20%増でワクチンの売上は10%増でした。
これまで行ってきた様々な既存ビジネスを補完する買収活動もこれらの領域の売上に大いに貢献しています。2010年度、3億5400万ポンドを買収に投資しました。2009年度は28億ポンドで、競争が激しい市場へは規律を持って投資するという姿勢を表しています。これらの投資に対する収益の評価は引き続き行っています。以前行ったスティーフェル社や、UCB社およびBMS社の新興市場における製品ポートフォリオの買収を評価した結果、買収時に掲げた目標を達成あるいはそれを上回る予定で、順調に進んでいます。

これらはすべて欧米先進国市場での売上への依存度を根本的に和らげており、2007年度には全体売上の40%を占めていたのが、2010年度は25%に減りました。これは、時間と共に、GSKグループに対する、特許期間満了によるマイナス影響の緩和に貢献するでしょう。
GSKは、過去4年間で「アバンディア」の10億ポンドの売上減少とは別に、40億ポンド以上の売上が、後発品との競合で失われるというパテントクリフ(特許期間満了による売上の激減)に見舞われましたが、再投資やコスト削減によりその影響を軽減することができました。
私たちは、変革、そしてリストラクチャリングや効果的な資金配分により投資収益率を向上させるという取り組みを引き続き推し進めていきます。
本日、成長を加速させ、コンシューマーヘルスケア事業を重点ブランドおよび新興市場を中心とする事業に発展させていくことを発表します。重点ブランドと新興市場は、売上の約90%を占めており、残りの10%の売上(5億ポンド)を占める欧州と米国の非主要OTCブランドを導出する意向です。持ち分や、株主のために適切な価値を実現することを条件に、2011年までにこれらの製品を導出することを目標としています。得られる収益は、株主への還元を高めるための 資金に活用されます。
非主要製品の導出は、株主のために価値を創造することを目的に引き続き行っていきます。
今週、GSKが保有しているQuest Diagnostics社の全株式の売却が、11億ドル(7億ポンド)の税引き後純利益で完了しました。
また、北米における「ゾビラックス」のクリームおよび軟膏製剤の残りの持ち分を、Valeant Pharmaceuticals社に3億ドル(1億9000万ポンド)で売却しました。

実質成長領域が多様化

2010年度の総売上は1%減でしたが、実質成長率(新型インフルエンザ関連製品、「アバンディア」、「バルトレックス」の売上を除く)は4.5%でした。この成長は、米国の医療保険制度改革と欧州連合の緊縮政策の影響を受け、売上が約3億8000万ポンド減少したにも関わらず達成されました。
2011年は実質成長率が引き続き伸び、2012年は継続した成長を実現できると期待しています。
これは、米国・欧州におけるさらなる薬価の引き下げにより2011年に予定している3億2500万ポンドの売上減少を含んでいます。2010年度の売上が合計20億ポンド以上だった新型インフルエンザ関連製品や「アバンディア」、「バルトレックス」は、今年度の、特に上半期の売上や利 益に影響を及ぼすことは明らかであり、GSKの2011年の業績を分析評価することが、困難になることを認識しています。
これらの製品に対する営業・マーケティング活動が最小限になるとはいえ、2011年の営業利益率(訴訟関連費用および営業外収支を除く)は、約1%減となる予定です。これには、米国の医療保険制度改革に伴う製薬企業への課税を考慮しています。GSKグループの利益は(同じベースで)、売上が実質的に成長し、リストラクチャリング・プログラムによるコスト節減と相まって、2012年以降改善すると期待しています。
この影響を販売管理費のレベルで相殺するためには、事業の成長分野への投資を削減する必要がありますが、これは長期的に見て会社の利益にならないと考えています。

株主への還元を向上

GSKのキャッシュポジションが改善し、株主への還元を増加します。

2010年度の配当を7%増の65ペンスに上げ、今後さらに高い配当を実現していくことを優先事項としています。2005年以降、配当は毎年増加し、5年間の年間平均増加率は8%でした。

本日、自社株の買い付けを再開することを発表しました。2011年、新たな長期的自社株買い付けプログラムの一環として、市場状況にもよりますが、10億から20億ポンドの株式を買い付ける予定です。
前進したと思います。GSKのビジネスは、よりバランスのとれたものとなり、実質成長をもたらしています。私たちの幅広いかつ多様な開発パイプラインは、より高いポテンシャルをもたらしています。キャッシュ創出力も高く株主への還元も向上しています。私は、GSKのマネジメントチームと共に、株主への価値を高め、患者さんおよび消費者により高い成果をお届けすることができると確信しています。

まとめ

外部環境は依然としてチャレンジングですが、リストラクチャリングやリターンを基本として厳格な資金配分を通じて、私たちの事業は大きく前進したと思います。GSKのビジネスは、よりバランスのとれたものとなり、実質成長をもたらしています。私たちの幅広いかつ多様な開発パイプラインは、より高いポテンシャルをもたらしています。キャッシュ創出力も高く株主への還元も向上しています。私は、GSKのマネジメントチームと共に、株主への価値を高め、患者さんおよび消費者により高い成果をお届けすることができると確信しています。

CEO アンドリュー・ウィティー


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グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。