新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と闘う:新たな変異株への取り組み

ウイルスが変異するとはどういうことでしょうか。新たな変異株と闘う上でGSKでは科学をどのように活用しているのでしょうか。また、変わりやすい性質を持つこのウイルスと闘うために、どういった治療選択肢を追求しようとしているのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こす新たなコロナウイルスであるSARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2)の急速な拡大については、マスコミ報道で目にしたり、医師から聞いたりされた方も多いことでしょう。どんなウイルスでも時が経つにつれて変異し、免疫応答を回避できるよう絶えず変化し続けていますが、新型コロナウイルスもその例外ではありません。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)

このウイルスの変異株は、英国から南アフリカ、ブラジル、さらには米国でも発見されており、世界的に急速な広がりを見せています。こういった変異株の中には懸念となっているものもあります。なぜなら、変異により感染力や重症度が高まるといった性質を備えることがあり、またウイルスの形状が特異的に変化してしまうことから、ワクチンや治療薬の効果が下がる可能性があるためです。

 

COVID-19ウイルスは変異するため、GSKでは新たな変異株にも対応できる治療薬の開発に努めています。

ワクチンや治療薬を用いてCOVID-19パンデミックや変異株と闘うため、幅広い分野の専門家が懸命な努力を続けています。GSKでは、現在だけでなく将来にわたってウイルスと闘い続けることのできるソリューションの開発に取り組んでいます。

COVID-19に対するソリューションを開発

GSKは、COVID-19に対して幅広い取り組みを行っており、ワクチン候補に加え、治療薬候補も開発しています。

世界初のHIV/AIDS治療薬の開発から、ウイルス性疾患に対する多数の異なるワクチンの開発まで、GSKには抗ウイルス分野における確かな実績があり、COVID-19の予防から治療にいたるまでのさまざまなソリューションを探索する能力があると確信しています。

ワクチン開発における協働

GSKのアプローチの中核にあるのは、世界中のヘルスケア企業や研究機関と協働してパンデミックに対するソリューションを開発し、提供することです。

COVID-19ワクチン開発に取り組む複数の企業や研究機関との提携において、私たちはGSKのアジュバント技術を提供しており、現在、3つのワクチン候補の臨床試験が進んでいます。世界中で起きている新型コロナウイルス変異株の出現に伴って重要な優先課題となるのは、既存のワクチンや開発中のワクチンに変異株がどのような影響を与える可能性があるかを判断することです。提携先と力を合わせ、GSKでは変異株に対処できる戦略を探っています。この戦略には、変異株の流行が増加している国でのワクチン候補の研究、複数の変異株に対する防御レベルを向上させるためのワクチン候補の最適化、新たなワクチンの開発などが含まれます。

タンパク質ベースのアジュバント添加COVID-19ワクチンの開発を目指した協働に加え、GSKはCureVac社とも提携し、COVID-19の複数の変異株に対応可能な次世代メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発にも取り組んでいます。この提携では、さまざまな異なる新型コロナウイルス変異株に対する幅広い予防効果を発揮し、将来出現する可能性のある新たな変異株にも迅速に対応できるワクチン開発を行うことを目指しています。

治療薬開発における協働

ワクチンの開発は非常に順調に進んでいますが、ワクチンの提供開始までには時間がかかります。その間にも世界中でCOVID-19に感染し入院する人が後を絶ちません。加えて、全世界のワクチン接種率が100%に達することもないでしょう。このため、COVID-19の予防と治療に向けて多様な治療選択肢を追求し続けていくことが重要となるのです。

既にGSKのパイプラインにある開発中の薬剤の再評価に加え、2020年4月にGSKは臨床段階のパイプラインを有する免疫系専門企業であるVir Biotechnology社との提携を発表しました。この提携の目的は、COVID-19の治療薬やワクチンとして選択肢となりうる、既存の抗ウイルス抗体の開発および新たな抗ウイルス抗体の同定を行うことにあります。

現在、予防から治療にいたる異なる病期にある広範な患者を対象として、COVID-19治療薬の試験が進められています。

Vir社とGSKとの協働は、互いにとって最適なものです。2020年4月に提携を発表しましたが、それ以来、COVID-19を含む複数の疾患に対するソリューションの開発に向けて、両社の人材と熱意が結びつき協業が進んでいることを大変嬉しく思います。

グローバル・メディカル・アフェアーズ ディレクター、Romina Quercia

 

治療薬で現在および将来の変異株と闘う

Vir社との協働の開始当初から、両社が共同で開発するモノクローナル抗体(mAb)については、COVID-19の性質が絶えず変化していくことを見越しておく必要があることを認識していました。

ワクチンとは異なり、こういった治療薬の場合、免疫系がウイルスに反応するのを待たずして直接感染から防御します。これらは新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に結合しウイルスを中和する、言い換えるとヒト細胞へのウイルスの侵入を阻止することにより、感染を防ぐよう設計されています。

変異する可能性の低いウイルスのスパイクタンパク質領域、つまりウイルスが増殖し続けても時間の経過にともなう変化の可能性が低い部位に特異的に結合するモノクローナル抗体を選定することが重要です。共同開発中のモノクローナル抗体は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)において、20年ほど前に世界的に流行したコロナウイルス(SARS-CoV)から変異していないタンパク質の一部と結合します。

さらに感染力が強く耐性のある新型コロナウイルスの変異株が出現する可能性があるため、モノクローナル抗体の標的は、変化する可能性が最も低いスパイクタンパク質領域とすることが重要となります。このような治療法は、懸念される既存の変異株や、今後出現する可能性のある変異株に対しても効果が期待できます。

医薬品開発リード バイスプレジデント、Amanda Peppercorn

GSKの科学者はVir社と協力し、ウイルスが免疫系を回避する変異機序について研究を継続しています。現在は、in vitroin vivoでの試験に加え、臨床試験も実施しています。これらの試験では、絶えず出現し続ける変異株が共同開発中のモノクローナル抗体の有効性に対してどのような影響を及ぼすかを検討しています。

私たちは、このウイルスがどのような変化をするかについて可能な限り理解するとともに、これまでに蓄積された治療手段に、さらに有効なワクチンや治療法を追加し、このパンデミックを収束させること、また将来起こりうるコロナウイルスの集団発生に備えることを目指して、全力で取り組んでいます。

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