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結核:世界最大級の脅威に取り組む科学者たちの団結

結核:世界最大級の脅威に取り組む科学者たちの団結

結核は、発熱と継続する咳で知られており、時に喀血をともなうこともあります。他のどの感染症よりも、毎年多くの人が命を落としています。2018年には世界中で150万人が亡くなりました。

GSKは、世界で最も致命的な感染症のひとつである結核と闘うために、大きな一歩を踏み出しています。

結核への挑戦

結核の治療での主な課題のひとつは、抗菌薬の長期併用投与です。通常は最大4種類の薬剤を6~9カ月間投与しますが、長ければ投薬が2年におよぶこともあります。

しかし、治療の完了にいたらない患者さんもおり、致死的な薬剤耐性のある結核菌が出現するきっかけとなっています。近年、新たな治療選択がないことと相まって、結核の新しい症例の急増の一因となっています。

  • 4000人

    世界保健機関(WHO)によると、結核が原因で毎日4000人の命が奪われています。

これを受けて国連は、SDGs(持続可能な開発目標)のひとつとして、2030年までに結核の流行を終結させるという目標を設定しました。国際社会がこの目標を達成するには、結核診断の精度を向上させ、新たな治療選択肢とより有効なワクチンを開発する必要があります。

結核を引き起こす細菌である結核菌(MTB)に感染したヒト血球
結核を引き起こす細菌である結核菌(MTB)に感染したヒト血球

新たなワクチンを求めて

現在のところ利用可能な結核ワクチンはたった一つ、BCGという略称でよく知られているカルメット・ゲラン結核予防ワクチンしかありません。乳児に接種した場合には、このワクチンは小児期における結核の重症化を予防しますが、成人の肺結核に対する有効性にはばらつきがあります。結核の流行国では、乳児を守るためにBCGは重要な役割を果たしていますが、地球規模で見ると疾患をコントロールするには至っていません。

GSKは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団や英国国際開発省等の支援を受け、IAVI(旧Aeras)と共に、結核ワクチン候補の開発を行ってきました。

結核流行地であるアフリカでGSKのワクチン候補の第IIb相試験が行われ、最終結果がNew England Journal of Medicineで発表されました。それによると、このワクチン候補は、潜伏状態にある成人の結核が肺結核として顕在化するのを最低3年以上防ぐことがわかりました。GSKは、この結核ワクチン候補の継続開発と、実用化された際には結核がまん延する低所得国で使用できるようにすることを目指し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団とライセンス契約を結んでいます。

ベルギー、リクセンサールにあるGSKのワクチンR&D拠点の結核ワクチン研究者
ベルギー、リクセンサールにあるGSKのワクチンR&D拠点の結核ワクチン研究者

約1世紀ぶりの新たな結核ワクチンの発見に向けて、私たちは大きな一歩を踏み出しました。

この私たちの結核候補ワクチンは、GSKの独自の科学的専門知識を注ぎ、最大の健康の脅威に対抗する新たなワクチンや薬剤を発見し、第三者との協働により持続可能な開発を可能にする、素晴らしい例でもあります。

結核と闘うために結集された知見

ワクチン開発のみが、結核と闘う上でGSKが外部専門家と協業している分野ではありません。

スペインのトレスカントスにあるGSKのグローバルヘルスR&D拠点では、120名ほどのGSKの科学者と外部研究者が、途上国に偏在する疾患の治療薬を開発するために共同研究を行っています。

私たちは、結核薬候補で世界トップレベルのパイプラインを有しており、この致死的感染症の撲滅に取り組んでいます。ほかの薬剤との組み合わせにより、通常の結核菌だけでなく薬剤耐性結核菌にも有効な、すべての結核患者さんに対する治療法を生み出し、結核の現状を変えたいと考えています。

結核との闘いは、GSK単独では勝つことができません。情報と科学的見地の共有、および官民パートナーシップの構築が、新世代の結核治療の開発を妨げる壁に挑む助けとなります。

2010年、私たちは、GSKの科学者がほかの大学やNPO等の科学者ともっと協力して研究開発にあたれるよう、トレスカントスに研究所を開設しました。トレスカントス・オープンラボ基金(Tres Cantos Open Lab Foundation)は、トレスカントスの研究所でのプロジェクトを促進する目的で、研究員個人に特別奨学金を交付しています。

2011年にEUの出資による結核プロジェクトに参加したのを皮切りに、私たちは10以上のEU出資の共同プロジェクトに参加してきました。現在も、いくつかのEU出資共同プロジェクトのメンバーとして活動を続けています。これらのプロジェクトの目的は、新たな結核治療の開発で切望されているツールとモデルの開発、新たなバイオマーカーの検証、臨床試験における薬剤の転用です。

2012年にGSKの科学者は、将来の医薬品の成分となりうる200万超の化合物の全ライブラリーを、結核に対して有効であるかどうかを指標にスクリーニングしました。その後同定された200種の化合物をオンラインで自由に利用できるようにし、外部の科学者が研究を行えるようにしました。これまでにGSKでは、世界中の結核に取り組む30の研究団体とこれらの化合物を提供してきました。

私たちは、抗結核薬アクセラレータープログラム(TB Drug Accelerator Program)に参加しています。これは、複数の製薬企業と公的研究機関およびビル&メリンダ・ゲイツ財団によるパートナーシップで、早期段階の共同研究を通じて、新薬のより速い開発を目指しています。

EUの革新的医薬品イニシアチブ(Innovative Medicines Initiative)の薬剤耐性(AMR)研究促進プログラムにおいて、GSKは業界でのリーダーシップを発揮しています。このプログラムの目的は、欧州を初めとする世界の耐性菌感染の治療または予防のための新薬の開発促進です。プログラムではAMRの予防・治療への新しいアプローチの開発に対するサポートが行われます。結核はAMRによる死亡の主な原因でもあります。

2020年2月、GSKは、「新規結核治療促進プログラム(PAN-TB)」に参加しました。このプログラムは多剤耐性型結核を含むあらゆる結核の治療法開発を促進する目的で、慈善団体、非営利団体、民間セクターで組織された今までに類を見ない共同プログラムです。プログラムには、複数の製薬会社やBMGFのほか、ビル&メリンダ・ゲイツ財団も参加しています。PAN-TBは、現在の結核治療よりも治療期間が短く、投与方法が簡単で、忍容性にすぐれた治療法の確立を目指しています。GSKは、PAN-TBのパートナーとして、私たちの科学的知見と結核に関する蓄積されたアセットを提供し、結核菌の耐性プロファイルに関係なく、結核患者さんを治療し完治できる最適な治療計画を確立しようとしています。

「最高の科学者が力を結集すれば、グローバルヘルスの向上という点で飛躍的な進歩を遂げることができます。結核治療薬の研究は、研究室を開放し、GSKの有するリソース、データ、さらには専門知識を共有すること、すなわち共同戦線を張ることで達成できる分野であり、そうすることにより命を救うことができると考えます」とPaulineは述べています。