GSKのShingrixについて自家造血幹細胞移植施行者における安全性と帯状疱疹に対する有効性の新たなデータを発表

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2017年12月6日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2017年12月6日 英国ロンドン発>

グラクソ・スミスクラインplc(本社:英国、以下GSK)は、本日、新たに得られた第III相臨床試験のデータにおいて、18歳以上の自家造血幹細胞移植(auHSCT)を受けた直後の成人においてShingrix1(組み換え帯状疱疹ワクチン、アジュバント添加)の安全性と有効性を支持する結果が示されたと発表しました。Shingrixは筋肉内に2回の接種を行う、生ワクチンとは異なる遺伝子組み換え型のサブユニットワクチン(アジュバント添加)です。

※1:米国、カナダでの商品名

18歳以上のauHSCT施行者を対象としたZOE-HSCT試験では、帯状疱疹に対して68.17%[95%信頼区間: 55.56~77.53%]の有効性が示され、主要目的を達成しました。50歳以上を対象とした部分集団解析でも有効性は同様の67.34%[95% 信頼区間: 52.60~77.89%]でした。また、すべての帯状疱疹関連合併症に対する有効性は77.76%[95% 信頼区間: 19.05~95.93%]でした。帯状疱疹で最もよく見られる合併症で、慢性的な神経痛の一つである帯状疱疹後神経痛(PHN)に対する有効性は89.27%[95% 信頼区間: 22.54~99.76%]でした。

GSKのワクチン研究開発部門長でありSenior Vice PresidentのEmmanuel Hanonは次のように述べています。「幹細胞移植施行者の免疫系は、これまで行われたShingrixの有効性試験に参加した一般の高齢成人と比べ、大幅に低下しています。そのため、これらの患者さんでは帯状疱疹のようなウイルス疾患のリスクがさらに高く、また、これらの患者さんを守るための有効なワクチンの開発もさらに困難なものとなります。これらの患者さんが直面している帯状疱疹の発症率の高さと病気の負担を考えると、2回のワクチン接種で帯状疱疹とその合併症を予防できることを実証した本日の結果は、患者さんが切望しているベネフィットの提供につながるものです。」

Shingrixは、求められる強力かつ長期にわたる免疫応答を誘導するために、ウイルス自体と異なる抗原と特別にデザインされたアジュバントを組み合わせた初めてのワクチンです。

GSKはこれらの結果と、本試験以外の免疫機能が低下した患者さんを対象にした第III相試験の結果を合わせて評価を行っています。医学的ニーズの大きいこれらの患者さんへのShingrixの使用について、医療従事者に最適な情報提供を行う目的で、これらすべてのデータは規制当局及び公衆衛生当局に提供され、検討される予定です。

Shingrixは50歳以上の成人を対象とした帯状疱疹の予防ワクチンとしてカナダおよび米国で承認されています2。現在、欧州連合、オーストラリアおよび日本の規制当局による審査が行われています。

※2:日本においてはジャパンワクチン株式会社が本剤の承認申請を行っております。 

ZOE-HSCT試験について
ZOE-HSCT試験は、18歳以上のauHSCT施行者を対象とし、移植後50~70日後にShingrixの1回目接種を行う2回接種スケジュールで有効性、安全性および免疫原性を評価した第III相臨床試験でした。被験者はShingrix群とプラセボ群に1:1の割合で無作為に割り付けられました。

本試験は2012年7月に始まり、南北アメリカ、欧州、アフリカ、アジアおよびオセアニアを含む世界28ヶ国で1846名の被験者が登録されました。

本試験で確認されたワクチンの安全性プロファイルは臨床的に容認できるものでした。副反応の所見は、これまでに行われた臨床試験の結果と一致していました。

auHSCT施行者や帯状疱疹とその合併症の発症リスクが高い患者さんなど、免疫力が低下した患者さんを対象にShingrixの有効性が評価されたのは今回が初めてです。これらのデータは、50歳以上の成人を対象に行われたZOE-50およびZOE-70の有効性に関する結果を補完するものです。

これまで帯状疱疹ワクチンには弱毒化生ワクチンしかなく、免疫力が低下している患者さんには禁忌でした。これらの患者さんを対象とした有効なワクチン開発は、医学上の未充足分野でした。

auHSCTについて
造血幹細胞は常時複製され、新しい血液細胞を生成します。ほとんどの骨の中核にある赤色骨髄中に造血幹細胞は存在します。

成人におけるHSCTは血液癌の治療の一環として行われることが一般的です。通常は骨髄または血液から得る造血幹細胞を採取して、その後患者の血流に注入することで、正常な血液細胞の生成を促します。患者自身の細胞を使用する移植は「自家移植」と呼ばれます。

移植の準備として、悪性細胞を排除するために、放射線療法併用による、または放射線療法なしでの高用量の化学療法を行うため、患者さんには部分的または完全に骨髄が除去される(新しい血液細胞を生成させるために骨髄の機能を破壊)という犠牲が伴います。

こうした理由で、HSCT施行者の細胞性免疫は移植前の放射線療法や化学療法により破壊されているため、HSCT施行者は帯状疱疹などのウイルス疾患とその合併症にかかるリスクが高くなります1

米国では、毎年11,000人以上がauHSCTを受けています2

帯状疱疹について
帯状疱疹は、水痘を引き起こすのと同じウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって発症します3。ほぼすべての高齢者の神経系にVZVが潜伏しており、加齢4または一定の病気(癌やエイズなど)による免疫力の低下、あるいは免疫抑制剤(化学療法薬など)の投与とともに再活性化しやすくなります。

帯状疱疹は通常、体の片側に発現する痛みとかゆみを伴う発疹として現れ、2~4週間続くことがあります。帯状疱疹に伴う痛みは多くの場合、しゃく熱感、電気ショックのような痛み、あるいは刺すような痛みと表現されます5,6。発疹が消えても、帯状疱疹後神経痛(PHN)が現れることがあります。この痛みは最低3ヶ月から最大で数年間続きます。PHNは帯状疱疹で最もよく見られる合併症で、すべての帯状疱疹患者さんの10~18%が罹患します7

米国では毎年、推定100万人が帯状疱疹を発症、50歳以上の人の99%以上がVZVに感染しており、アメリカ人の3人に1人が生涯に一度は帯状疱疹を発症します8

Shingrixについて
Shingrixは、生ワクチンとは異なる遺伝子組み換え型のサブユニットワクチン(アジュバント添加)で、50歳以上における帯状疱疹の予防ワクチンとして米国およびカナダで承認されています。この年齢層(50歳以上)の免疫力が低下した患者さんにおいて、Shingrixは禁忌にはなっておりません。
このワクチンは、抗原である糖タンパクEと、アジュバントシステムAS01Bとを組み合わせ、加齢に伴う免疫力の低下ならびに疾患や免疫抑制剤による免疫力の低下を克服できるよう、強力で長期にわたる免疫反応を誘導するようになっています。

米国の処方情報の詳細は以下をご参照ください:
https://www.fda.gov/BiologicsBloodVaccines/Vaccines/ApprovedProducts/ucm581491.htm

1. Rogers JE et al. Onset and complications of varicella zoster reactivation in the autologous haematopoietic cell transplant population. Transpl Infect Dis. 2011; 13:480-4
2. https://bloodcell.transplant.hrsa.gov/research/transplant_data/transplant_activity_report/index.html#numbers
3. Harpaz R, Ortega-Sanchez IR, Seward JF; Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Prevention of herpes zoster: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR Recomm Rep. 2008 Jun;57(RR-5):1-30.
4. Gnann et al. Clinical practice. Herpes zoster. N Eng J Med. 2002;347(5):340-6.
5. Cunningham et al. Efficacy of the herpes zoster subunit vaccine in adults 70 years of age or older. N Engl J Med. 2016;375:1019-32.
6. Yawn et al. Health care utilization and cost burden of herpes zoster in a community population. Mayo Clin Proc. 2009;84(9):787-94.
7. Cohen et al. Herpes Zoster. N Eng J Med. 2013;369:255-63.
8. Harpaz R, Ortega-Sanchez IR, Seward JF; Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Prevention of herpes zoster: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR Recomm Rep. 2008 Jun;57(RR-5):1-30.


GSK-研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。詳細は、www.gsk.comをご覧ください。

<ジャパンワクチン株式会社について>
グラクソ・スミスクライン株式会社、第一三共株式会社による50%ずつの出資により、2012年7月2日より営業を開始しました。「力をあわせて、未来を守る」をスローガンに、日本国内における予防ワクチンの臨床開発、マーケティングならびに営業活動を行っています。