ヌーカラ(メポリズマブ)、米国で成人における好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の適応承認を取得

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2017年12月12日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2017年12月12日 英国ロンドン発>

好酸球が関与する希少疾患に対し、Priority review (優先審査)指定を受けて
FDAに承認された初の好酸球を標的とした治療薬

グラクソ・スミスクライン(本社:英国 以下GSK)は12月12日、従来チャーグ・ストラウス症候群と呼ばれていた好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)について、米国食品医薬品局(FDA)が初めての標的治療として、ヌーカラ(メポリズマブ)を承認したと発表しました。GSKは2017年6月に抗インターロイキン-5(IL-5)治療薬であるメポリズマブについて、生物学的製剤追加承認申請書(sBLA)を提出していました。

GSKのシニアバイスプレジデントであり、グローバル呼吸器フランチャイズの責任者であるEric Dubeは次のように述べています。「医師および患者さんにおける重症の好酸球性喘息でのヌーカラの使用経験に続き、別の好酸球が関与する疾患であるEGPAに対して本剤の適応をFDAが承認したことで、EGPA患者さんに新たな治療を提供できるようになったことをうれしく思います。このたびの承認はこれまで実施された大規模なEGPA患者さんを対象とした前向き研究における良好な試験結果に基づいており、医師は、患者さんを衰弱させるこの疾患に対する標的治療を選択できるようになりました。」

メポリズマブはその他の好酸球疾患の治療または、急性の気管支けいれんや喘息発作重積状態の軽減については承認されていません。

EGPAに対する承認は、GSKと米国立衛生研究所に属する機関である米国立アレルギー感染症研究所との共同で実施された、52週の主要な第Ⅲ相試験(MIRRA試験)の結果に基づくものです。

MIRRA試験では、再発および/または難治性EGPA患者136人に対し、標準治療(ステロイド薬単剤、又は免疫抑制剤との併用)に追加して4週間ごとにメポリズマブ300mgが皮下投与された群とプラセボ群を比較したときの有効性と安全性が評価されました。結果は次のとおりです。

・2つの主要評価項目(累積寛解維持期間および治験薬投与期間の36および48週時の両時点において寛解状態にあった患者の割合)においてメポリズマブの有効性を示唆する統計的に有意な結果が得られました。
累積寛解維持期間(比例オッズ回帰モデル;オッズ比[ 95%信頼区間] (vs.プラセボ) 5.91[2.68~13.03]、p<0.001)
治験薬投与期間の36および48週時の両時点において寛解状態にあった患者の割合(ロジスティック回帰モデル;オッズ比[95%信頼区間] (vs.プラセボ)16.74[3.61~77.56]、p<0.001)

・6つの副次的評価項目(再発、寛解、ステロイド薬の使用量を評価)すべてで、メポリズマブの有効性を示唆する結果が得られました。
・投与中に有害事象が発現した患者の割合は、メポリズマブ群97%、プラセボ群94%でした。注射部位反応(痛み、紅斑、腫脹等)は、メポリズマブ群15%、プラセボ群13%でした。重篤な有害事象はメポリズマブ群18%、プラセボ群26%で報告され、最も頻度が高かったのは喘息の悪化/悪(メポリズマブ群3%、プラセボ群/6%)でした。

Chief, Division of Rheumatology at Perelman School of Medicine, University of PennsylvaniaでMIRRA試験の治験責任医師であるDr. Peter A. Merkelは次のように述べています。「EGPAに苦しむ患者さんは、適切な診断の遅れや、安全な治療選択肢が少ないことなどによりもたらされるもどかしさに何度も直面しています。リウマチ専門医、免疫学者、呼吸器科医にはEGPA患者さんを適切に診断し治療するという重要な使命があります。このたびのメポリズマブの承認により、各専門家はこの複雑な疾患に苦しむ患者さんに適切な場合はこの標的治療を行うことができるようになります。」

Professor of Medicine at National Jewish Health in Denver, Colorado, であり、MIRRA試験の治験責任医師であるDr. Michael E. Wechslerは次のように述べています。「EGPA患者さんは、繰り返す再燃に苦しみ、これにより高い不可逆的な臓器障害のリスクに晒されます。試験結果からメポリズマブは、累積寛解維持期間の増加、再発および再燃の頻度減少、またすでに標準治療を受けている患者さんのステロイド薬使用量の減少(プラセボ群と比較)を達成できることが示されています。これらは重要な治療目標であり、このたびの承認は、医師と患者さんにとって重要な出来事です。」

EGPAについて
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は、中小血管の血管壁の炎症(血管炎)に起因する慢性の希少疾患です。世界的な発生率は一般的には100万人に1~4人と言われ、推計有病率は100万人に14~45人とされています。1
EGPAは、一般的に成人喘息と、多くのケースでアレルギー性鼻炎および副鼻腔炎を発症します。EGPAによって肺、副鼻腔、皮膚、心臓、消化管、神経およびその他の器官に障害がおこります。最もよく見られる症状には、極度の疲労、筋肉および関節痛、体重減少、副鼻腔炎の症状、息切れなどがあります。

疾患管理のための現在のアプローチは主に、ステロイド薬、免疫抑制剤(メトトレキサート、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチルなど)および/または細胞毒性薬(シクロホスファミドなど)の併用療法による活動性炎症と免疫反応の抑制を基本としています。これらの治療法は寛解の導入に有効ですが、患者さんは、依然として長期治療による合併症や再発のリスク、特にステロイドの減量時の再発リスク、に晒されています。

ヌーカラ(メポリズマブ)について
2015年に重症の好酸球性喘息に対して初めて承認されたメポリズマブは、血液中に高値で好酸球(白血球の一種)に関連した炎症によって引き起こされる疾病の治療薬として開発された標的生物学的製剤です。正常レベルで存在する場合、好酸球は感染に対して体を守る役割を果たしますが、過剰に生成されると重要な器官や組織に炎症を起こし、時に恒久的な損傷を与えることがあります。

メポリズマブ 100 mgは、EU、米国、日本を含む40カ国以上で重症の好酸球性喘息患者の治療薬として承認され、米国で18,000人を超える患者さんに処方されてきました。今般米国でメポリズマブ300 mgが、成人における好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)といわれる希少疾病の治療薬としても承認さました。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)についても追加承認申請中です。日本においては適応を取得しておりません。

メポリズマブは、3,000人を超える患者さんに対しさまざまな好酸球に関する16の試験が実施されており、重症の好酸球増多症候群および鼻茸についても研究されています。
「ヌーカラ®」は、現在までにカナダ、オーストラリア、日本、スイス、チリ、韓国および台湾でも承認されており、その他の国においても現在審査中です。

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1 Lane SE, Watts RA, Scott DG. Epidemiology of systemic vasculitis. Curr Rheumatol Reports 2005;7:270-275