GSK、CDCアドバイザリー会議で帯状疱疹ワクチン候補Shingrixの第III相 ワクチン再接種の臨床試験で良好な結果が得られたことを発表

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2017年6月21日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2017年6月21日 英国ロンドン発>

現在の標準ワクチンの接種歴を有する者を対象として試験を実施

グラクソ・スミスクライン(LSE/NYSE:GSK)は本日、50歳以上の成人を対象としたherpes zoster(帯状疱疹)の予防ワクチン候補であるShingrix (HZ/su) を、現在利用可能な弱毒化帯状疱疹生ワクチン(ZVL)の接種歴のある高齢者に接種した場合に、強い免疫反応を引き起こすことを示す新たな臨床試験結果を発表しました。このZoster-048試験の結果は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)および予防接種の実施に関する諮問委員会(ACIP)の会議で発表されました。

本試験は免疫反応(たとえば抗体濃度)の非劣性を示すこととしたその主要目的を達成しました。Shingrix によるワクチン接種から遡って少なくとも5年前にZVLを接種した者と、ZVLを接種していない者とでは、同等な免疫反応がみられました。また、2回目のワクチン接種から最長で1カ月後までの評価では、いずれの試験群でもShingrixの忍容性は良好でした。

GSKは、安全性、局所反応および全身反応、ならびに免疫原性に関するこれらのデータを米国食品医薬品局(FDA)に提出しており、結果的にデータがShingrixによる帯状疱疹予防を目的としたワクチン再接種に関する方針決定を伝えるものとなることを期待しています。現在進行中の試験は、65歳以上の成人のうち、少なくとも5年前にZVLを接種した者とワクチン接種歴のない者430例を対象とした前向き、群対応、非無作為化、非盲検、多施設共同試験として計画されたものです。

現在の標準ワクチンであるZVLは帯状疱疹を予防しますが、複数の試験からその予防効果は時間の経過と共に減弱することが示唆されていますⅰ,ⅱ

GSK Vaccinesの研究開発部門のSenior Vice President兼Chief Medical OfficerであるThomas Breuer博士は次のように述べています。「これらの結果は、現在利用可能なワクチンの接種歴があるにもかかわらず、Shingrixの再接種によるベネフィットを得たいと考える50歳以上の方にとって、推奨があればShingrixの接種が1つの選択肢となりうることを示していることをうれしく思います。」

Zoster-048試験は、有効性よりむしろShingrixの免疫反応と安全性に焦点を当てており、公開済みの免疫原性と有効性を同時に評価した臨床試験データに立脚しています。最もよくみられる局所反応および全身反応はこれまでに得られた知見と合致しており、臨床的に重要な安全性に関する徴候は認められませんでした。

別に実施した二つの第III相試験、ZOE-50およびZOE-70では、Shingrixは年齢(50歳以上、70歳以上、80歳以上)とは無関係に帯状疱疹に対して90%を超える有効性を示すと同時に、4年間の追跡期間全体を通じて持続的な有効性を示しましたⅲ,ⅳ

本日発表された試験は、査読付き学術誌に掲載するために投稿されました。

帯状疱疹ワクチン候補であるShingrixについては、2016年10月に米国FDA、2016年11月にカナダ規制当局および欧州医薬品庁、また2017年4月に日本の規制当局に対して承認申請を行いました*。現在のところ、Shingrixの使用が承認されている国はありません。

*日本においてはジャパンワクチン株式会社が承認申請を行いました。

Zoster-048試験について
この試験は65歳以上の成人430例のうち、少なくとも5年前に帯状疱疹に対する現在利用可能な弱毒化帯状疱疹生ワクチンを接種したことのある者と接種したことのない者を対象とした試験です。この前向き、群対応、非無作為化、非盲検、多施設共同Zoster-048試験 (NCT02581410)では、Shingrixの安全性、局所反応および全身反応、ならびに免疫原性を評価しました。

世界各国の被験者37,000人超が参加した第III相プログラムでは、すでに高齢者を対象としてGSKの帯状疱疹ワクチン候補を2カ月間隔で2回筋肉内に接種した場合の、有効性、安全性、および免疫反応が評価されました。完了済みの試験であるZOE-50およびZOE-70から得たデータは、すでにアメリカ疾病予防管理センターの予防接種の実施に関する諮問委員会で発表され、査読付き学術雑誌に掲載されていますⅲ,ⅳ。

固形がん・血液がん患者、造血幹細胞移植・腎移植レシピエントを対象とした追加試験は現在進行中です。これらの試験では、免疫機能の低下による帯状疱疹の高リスク集団を対象とした、ワクチン候補の安全性および免疫反応を惹起する効果に関する追加情報が得られることになっています。

ワクチン候補について
ワクチン候補となっているのは、生ワクチンとは異なり遺伝子組み換え型のワクチンで、帯状疱疹およびその合併症の予防を可能とするものです。これは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)上に存在するタンパク質である糖タンパクEと、抗原に対する免疫反応を高めることを目的としたアジュバントシステムAS01Bとを組み合わせたものです[v]。”Shingrix”という販売名を使用することについては、現時点ではどの国の規制当局からも承認されていません。

弱毒生帯状疱疹ワクチン(ZVL)であるZostavax®は、Merck Sharpe & Dohme Corp.の登録商標です。

帯状疱疹について
帯状疱疹は通常、身体の片側に発現する痛みとかゆみを伴う発疹として現れます。この発疹は、潜伏していた水痘ウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス、VZV)が再活性化することにより発症します。データでは、多くの国で90%を超える成人が小児期にVZVに感染していることが示されています。米国では、帯状疱疹を発症する生涯リスクは約3人に1人となっていますが、85歳以上になるとこのリスクは2人に1人に増加します。加齢に伴う免疫機能の低下により、50歳を超えると帯状疱疹のリスクが高まります

帯状疱疹で最もよくみられる合併症は帯状疱疹後神経痛です。これは、帯状疱疹による急性の発疹が認められた後、90日間を越えて持続する重度の限局性疼痛と定義されています。この他、帯状疱疹の合併症には、重度の障害を引き起こす可能性のある眼科疾患、神経性疾患、皮膚疾患などがあります


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グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。詳細は、www.gsk.com をご覧ください。



ⅰ Morrison, et al. Clin Infect Dis. 2015 ; 60(6): 900-9. Long-term persistence of zoster vaccine efficacy.

ⅱTseng, et al. J Infect Dis. 2016 ; 213(12): 1872-5. Declining Effectiveness of Herpes Zoster Vaccine in Adults Aged ≥60 Years.

ⅲ Lal, et al. N Engl J Med. 2015; 372: 2087-96. Efficacy of an Adjuvanted Herpes Zoster Subunit Vaccine in Older Adults.

ⅳ Cunningham, et al. N Engl J Med. 2016; 375: 1019-32. Efficacy of the herpes zoster subunit vaccine in adults 70 years of age or older.

ⅴ The GSK proprietary AS01 adjuvant system contains QS-21 Stimulon® adjuvant licensed from Antigenics LLC, a wholly owned subsidiary of Agenus Inc. (NASDAQ: AGEN), MPL and liposomes.

ⅵ Harpaz, et al. MMWR Recomm Rep. 2008; 57(5): 1-30. Prevention of herpes zoster: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices.

ⅶ Cohen, et al. N Engl J Med. 2013; 369(3): 255-63. Clinical practice: Herpes zoster.