重症COPD患者を対象としたメポリズマブの 第III相試験の速報結果を公表

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この資料は、英国グラクソ・スミスクラインplcが2017年5月10日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttp://www.gsk.comをご参照下さい。

<2017年5月10日 英国ロンドン発>

グラクソ・スミスクライン(本社:英国、以下GSK)は、好酸球性フェノタイプを有する重症慢性閉塞性肺疾患(COPD)の成人患者に対して、標準治療に追加して抗IL-5モノクローナル抗体であるメポリズマブを投与した場合の有効性および安全性について検討する2つの第III相試験の速報結果を公表しました。
これらの52週間投与試験では、主要目的として、最適な標準治療を行っても増悪のリスクが高いCOPD患者において、メポリズマブ100mgおよび300mgの皮下投与による好酸球(白血球の一種)の減少が、中等度および重度の増悪の頻度を減少させるかどうかを検討しました。

- 117106(METREX)試験では、血中好酸球数に応じて836名の患者をメポリズマブ100mg群またはプラセボ群に無作為割付けしました。血中好酸球数値の高い患者群では、メポリズマブ100mg群でプラセボ群と比較して統計学的に有意な中等度および重度の増悪の頻度減少がみられました(18%、多重性調整後p=0.036、一般化線形モデル)。

- 117113(METREO)試験では、674名の患者をメポリズマブ100mg群、メポリズマブ300mg群またはプラセボ群に無作為割付けしました。メポリズマブ群でプラセボ群と比較して中等度および重度の増悪の頻度が減少しましたが、統計学的な有意差はありませんでした(メポリズマブ100mg 20%、多重性調整後p=0.068; メポリズマブ300mg 14%、多重性調整後p=0.140 、一般化線形モデル)。

GSKのVice Presidentでメポリズマブの医薬品開発責任者であるSteve Yanceyは、次のように述べています。「私たちは、現在使用できる最適な治療薬を使用しているにもかかわらず増悪を起こす好酸球性フェノタイプのCOPD患者さんを助けるために、これら2つの試験に着手しました。これらの試験で認められた中等度および重度の増悪の頻度減少は、治療が困難な患者さんに対する新たな治療オプションの必要性を考えると、臨床的に重要であると考えています。今後全てのデータが揃った時点で評価し、次のステップを決定する予定です。」

上記試験の詳細な結果は、今後、学会で発表されるほか、査読付きの雑誌へ投稿される予定です。

2試験の速報データレビューにおいて、安全性に関する懸念はありませんでした。METREX試験における有害事象の発現率は、プラセボ群81%、メポリズマブ100mg群79%、重篤な有害事象の発現率は、プラセボ群28%、メポリズマブ100mg群25%でした。METREO試験における有害事象の発現率は、プラセボ群81%、メポリズマブ100mg群83%、メポリズマブ300mg群85%、重篤な有害事象の発現率はプラセボ群26%、メポリズマブ100mg群23%、メポリズマブ300mg群24%でした。

 

試験デザイン
これらの第III相試験は、最適な標準治療を基礎治療として受けているにもかかわらず増悪リスクの高いCOPD患者を対象に、メポリズマブを4週間ごとに皮下投与する多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間試験でした。標準治療には、吸入ステロイド薬(ICS)、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)からなる吸入薬の三剤併用療法を採用しました。試験全体の期間は約62週間、うちスクリーニング期が1~2週間、治療期が52週間、追跡調査期が8週間でした。

METREX試験(117106)では、ベースラインの血中好酸球数別にメポリズマブ100mg またはプラセボを評価しました。被験者を、i)試験登録時の血中好酸球数150 /μL以上または過去1年間の血中好酸球数300 /μL以上の患者群(高好酸球数群)またはii)試験登録時の血中好酸球数150 /μL未満かつ過去1年間の血中好酸球数300 /μL以上であることを示すデータのない患者群に分類しました。

METREO試験(117113)では、試験登録時の血中好酸球数150 /μL以上または過去1年間の血中好酸球数300 /μL以上の患者(高好酸球数群)を対象に、メポリズマブ100mg、メポリズマブ300mg またはプラセボを評価しました。

中等度の増悪は、全身性ステロイド薬または抗生物質による治療を必要とする増悪と定義し、重度の増悪は入院を必要とする、または死亡にいたる増悪と定義しました。

 

メポリズマブについて
メポリズマブは、IL-5に対する特異的なヒト化IgG1モノクローナル抗体です。免疫・炎症、がん、ワクチン、感染症、稀少疾患と並ぶGSKの重要な研究・開発領域のひとつである呼吸器疾患の製品ポートフォリオのひとつです。

メポリズマブは、ファースト・イン・クラスの抗IL-5治療薬です。メポリズマブはまず、好酸球性の炎症によって症状が誘発されている重症喘息患者の治療薬として開発されました。メポリズマブは、シグナルタンパク質であるIL-5に結合することで、好酸球の表面にある受容体との結合を阻害します。IL-5との結合を阻害することで、血中、組織、および喀痰に含まれる好酸球数を減少させます。

2017年5月現在、メポリズマブはCOPDへの適応では承認されていません。

メポリズマブは日本において、製品名「ヌーカラ」として気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)の適応を取得していますが、300mg投与については承認されていません。

「Nucala」(メポリズマブ)は米国において、好酸球性フェノタイプを有する12歳以上の重症喘息患者の追加維持治療薬として承認されています。その他の好酸球性疾患、急性気管支けいれんあるいは喘息発作重積への使用は承認されていません。

「Nucala」(メポリズマブ)は欧州において、成人の重症難治性好酸球性喘息患者に対する追加維持治療薬として承認されています。

「Nucala」(メポリズマブ)はカナダ、オーストラリア、スイス、チリ、韓国、台湾でも好酸球性フェノタイプを有する重症気管支喘息治療薬として承認されています。

「Nucala」はGSKグループ企業の登録商標です。


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グラクソ・スミスクラインは、研究に基盤を置き世界をリードする、医薬品およびヘルスケア企業であり、人々が心身ともに健康でより充実して長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすことを企業使命としています。詳細は、www.gsk.com をご覧ください。