子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の訴訟に関するGSKの声明

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子宮頸がん予防ワクチン(以下「HPVワクチン」)に関して、国と弊社を含むHPVワクチン製造販売会社二社を被告として、2016年7月27日に訴訟提起がされると報道されています。
本日現在、訴状を受け取っておりませんので、上記訴訟についてのコメントは差し控えますが、様々な症状によって苦しまれている方々につきましては、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い回復をお祈りしています。
弊社は、全ての医薬品およびワクチンの安全性が最優先事項であると考えており、今後とも、ワクチンの有効性と安全性の確保に努め、当局、医療関係者、および社会の方々へ医学的・科学的に有用な情報を提供してまいります。

「サーバリックス®」は、国内・外の臨床試験においてHPV感染および前がん病変に対する高い予防効果が示されており、これまでに世界136カ国で承認されています。さらに、「サーバリックス®」の販売開始以降、実際にHPV感染および前がん病変を有する患者が減少したとの報告もされています1,2

弊社は臨床試験や市販後調査などを通じて得た国内・外の安全性に関するデータを、厳密に評価し、報告および情報提供を行っており、各国の評価機関・団体や専門家も、HPVワクチンのベネフィットが副反応のリスクを上回ると評価しています*。また、報告されている様々な症状とHPVワクチンとの因果関係は医学的・科学的に明らかになっておらず、弊社は「サーバリックス®」のベネフィットが副反応のリスクを上回るものであることを確信しております。

子宮頸がんは、日本において、毎年約10,000人が罹患し、約3,000人の命を奪う疾患です3,4
子宮頸がんは早期の段階では自覚症状がほとんどなく、症状に気付き診察を受けた時には既に病状が進行していて手遅れになることがあります。また、仮に早期発見と治療により根治した場合でも、子宮や卵巣、リンパ節の切除により、妊娠ができなくなる、早産や流産をしてしまう、リンパ浮腫や排尿障害に苦しむといった後遺症が残る場合があります。 近年、子宮頸がんは、特に20-30代の女性の罹患者数が増加傾向にあるため4、患者本人の生活の質(QOL)の低下だけでなく、結婚や出産などの重要なライフイベントにも深刻な影響を与えたり、母親世代の女性が罹患することで、家族や周囲の人にも大きな影響を及ぼしうる疾患です。

子宮頸がんおよびその後遺症で苦しむ女性を減らすためにはHPVワクチンの接種だけでなく、定期的な検診も不可欠です5,6。現在日本は欧米に比べて、検診を受ける女性の割合が低いと言われており、ワクチン接種率の低下と相まって、将来的に子宮頸がん罹患率の高い国となることが懸念されます。したがって、弊社は、今後も疾患啓発および定期検診とワクチン接種による予防の重要性の理解促進に尽力してまいります。

 

*各機関の子宮頸がん予防ワクチンに関する声明・リリースについて

世界保健機関(WHO)
http://www.who.int/vaccine_safety/committee/GACVS_HPV_statement_17Dec2015.pdf?ua=1

欧州医薬品庁 (EMA)
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Referrals_document/HPV_vaccines_20/European_Commission_final_decision/WC500196773.pdf

米国臨床腫瘍学会 (ASCO)
https://www.asco.org/about-asco/press-center/news-releases/asco-urges-aggressive-efforts-increase-hpv-vaccination-and

フランス医薬品安全局 (ANSM)
http://www.ansm.sante.fr/content/download/80841/1023043/version/1/file/Ansm_Gardasil-Hpv2_Rapport_Septembre-2015.pdf

小児科学会等関連学術団体
http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20160418_HPV.pdf

日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/statement/statement_150829.html

 


1 Br J Cancer. 2014; 111(9): 1824-1830
2 J Natl Cancer Inst. 2014; 106(3): djt460.
3 国立がん研究センターがん対策情報センター 人口動態統計によるがん死亡データ(1958年~2014年)
4 国立がん研究センターがん対策情報センター 地域がん全国推計によるがん罹患データ(1958年~2012年)
5 http://www.cancerscreening.nhs.uk/cervical/publications/cervicalpocket2009.pdf accessed June 2014
6 Peto J et al. The cervical cancer epidemic that screening has prevented in the UK. Lancet 2004;364:249-256