セーブ・ザ・チルドレンとのパートナーシップ

概要

Meles Sanka小学校の5年生たちがオレンジ色の風船を見上げている写真
Meles Sanka小学校の5年生たち。撮影:Colin Crowley

現在、予防可能な疾患により、5歳未満の子どもが毎年600万人以上亡くなっています。ここ10年で子どもの死亡率は世界中で大幅に下がりましたが、予防できたはずの疾患で子どもたちが亡くなるのを防ぐには、まだまだ十分ではありません。世界中の最も弱い立場にある子どもたちのニーズはさまざまですが、すべての子どもが、基本的な医療を受けられるようにするために緊急の支援が必要な領域が3つあります。

 

  • 最貧国における医療従事者の数を増やすこと。
  • ワクチンと医薬品。
  • シンプルな栄養食品。

 

世界に変化をもたらすために

2013年、世界中の最貧困層の子どもたちのために永続的変化をもたらすために、私たちの専門知識とリソースを共有し、これら3つの領域に力を入れる壮大なグローバル・パートナーシップを国際子ども支援NGOセーブ・ザ・チルドレンと結びました。

620万人

毎年、5歳未満の子ども620万人が予防可能な病気で亡くなっています。

この新しいパートナーシップは、従来行われてきた慈善のための企業募金の枠を超えるものです。このパートナーシップは、GSKの事業の多くの領域にかかわっており、特に、子どもたちの命を救うには、GSKの研究開発能力が活用されます。

具体的には、GSKとセーブ・ザ・チルドレンのパートナーシップは以下の活動に力を入れています。

  • 子どもと新生児の死亡率を削減するために、小児用の医薬品を開発する活動。
  • 提供が最も困難なコミュニティにおける子どもの死亡率を削減するために、ワクチン接種を拡大する活動。
  • 子どもの死亡率削減に貢献するために、最貧困コミュニティにおける医療従事者の訓練や能力・知識の拡大に対する投資を増やす活動。
  • 子どもの栄養不良を改善するために、低価格の新しい栄養製品を研究する活動。
毛布にくるまれてあくびをしている生後6カ月の黒人の赤ん坊の写真
Bianca、生後6カ月。ケニヤのブンゴマ郡にあるKopsiro 医療施設で。撮影:Colin Crowley

新たな連携方法

GSKとセーブ・ザ・チルドレンのロゴ画像

私たちは、コンゴ民主共和国(DRC)とケニアにおけるプログラムを手始めとして、子どもの死亡率を削減し、他の途上国でも採り入れられ、拡大・展開することができるモデルを確立するための、さまざまなプログラムを開発しています。

私たちは、新たな連携方法のための青写真を共有し、NGOと企業間の従来の資金調達モデルを変革したいと考えています。

同時に、私たちの影響力によって、方針や実地方法を改善し、子どもの健康への国際的投資を増やすよう呼びかけていきます。

コンゴ民主共和国におけるGSKとセーブ・ザ・チルドレン

私たちの最初の共同プログラムが、コンゴ民主共和国で開始されました。何十年にもわたる政治的・社会的不安定によって荒廃したコンゴ民主共和国は、人道面で世界最悪の危機に見舞われている国のひとつです。コンゴ民主共和国は、人権開発指数(HDI)で見ると169カ国中168位であり、平均寿命はわずか46歳という短さです。国民の多くが基本的なサービスを利用できず、6,600万人の人口のうち半数が1日1ドル以下で生活をしています。

コンゴ民主共和国における、高い感染症発症率などの医療上の課題は、医療システムのあらゆるレベルにおける人的資源の不足により困難さを増しています。人口1万人当たりの医師数はわずか1人で看護師もわずか5人です。子どもの死亡率は、アフリカで最悪レベルであり、5歳未満の子どもが毎年40万人以上、主に予防可能な疾患により亡くなっています。

山のふもとに広がる緑一面の農村地域の写真
ケニヤ、ブンゴマ郡の農村地域。撮影:Colin Crowley

国際子ども支援NGOセーブ・ザ・チルドレンとコンゴ民主共和国政府およびさまざまなコミュニティレベルでの連携により、このプログラムを通じて、新生児や母子の健康に不可欠な一連のサービスを提供しています。これには、一般的な小児疾患を効果的に治療できるよう、現行のシステムやインフラを強化して、基本的な医療や栄養サービス、機器、補給品および適切な訓練を受けたスタッフを提供することも含まれます。

GSKは、2013年4月に開始されたこのプログラムに、900万ポンド(約15億7,500万円)の資金援助を行っています。

ケニアにおけるGSKとセーブ・ザ・チルドレン

ケニアの人口3,900万人のうち、およそ25%が1日1.25ドル以下で生活しており、その40%以上が15歳未満です。ケニアでは、子ども10人のうち1人が5歳の誕生日を迎える前に亡くなっており、首都ナイロビのスラム地区や北部の農村地域では、この数字はさらに高くなります。

私たちは、パートナーシップを通じて、セーブ・ザ・チルドレン・ケニアの新生児生存率向上プログラムを支援しています。このプログラムは、医療システムの向上を図ることで、予防可能な病気の罹患率と5歳未満の子どもの死亡率を削減することを目指すものです。このプログラムへの資金提供に加え、私たちはセーブ・ザ・チルドレンの活動を通じて多額の投資を行い、予防可能な病気の罹患率と子どもの死亡率を削減するために、必要な医薬品および医療用製品の研究開発を優先的に進めています。

私たちは、このプログラムに400万ポンド(約7億円)以上の資金援助を行っており、このプログラムは2014年後半に動き出す予定です。

ヘルスケア・イノベーション・アワード

ある特定の課題に対する最善の解決策は、その課題を最も身近に感じて生活や仕事をしている人々によって見出されることが少なくありません。この事実を考慮して、GSKでは国際子ども支援NGOセーブ・ザ・チルドレンとのパートナーシップのもと、途上国における子どもの死亡率削減に成功したヘルスケアにおけるイノベーションに褒賞を授与するため、2013年に年間賞金総額100万ドルのヘルスケア・イノベーション・アワードを創設しました。

このアワードは私たちの壮大なパートナーシップにおける最初の取り組みのひとつであり、その目的は、100万人におよぶ世界中の最も貧しい層の子どもたちの命を救う手助けをすることにあります。

アワードでは、毎年、途上国のいつくかの団体に、それらの組織が発見または実行した革新的なヘルスケアアプローチを挙げてもらいます。これらのアプローチは、5歳未満の子どもの生存率を実際に向上させた上、持続可能でかつスケールアップと他の途上国でも展開が可能なものでなければなりません。イノベーションにはさまざまな形があることを考慮し、このアワードの応募基準は幅広く設定されています。科学、栄養、研究、教育、パートナーシップによる活動など、ヘルスケアのいかなる領域に的を絞ったアプローチでも受け入れています。

応募内容の審査を担当するのは、公衆衛生、科学、学術の各分野の専門家で構成され、GSKのCEOアンドリュー・ウィティー卿とセーブ・ザ・チルドレンのCEOであるジャスティン・フォーサイスが共同議長を務める外部委員会です。

2014年の受賞者

 37カ国から100件を超える応募の中から10件が委員会による最終審査に残りました。医療システム、Eヘルスおよびテクノロジーソリューション、ならびにコミュニティ・ブログラムにおけるさまざまなイノベーションに対して、下記の4団体に賞金が授与されました。

クワズール・ナタール大学(南アフリカ)- 37万ドル

クワズール・ナタール大学(UKZN)は、「FoneAstra」と呼ばれる画期的な低コストシステムによって最高賞金を獲得しました。これは、早産児用に提供された母乳の安全な低温殺菌と保存を可能にするシステムです。クワズール・ナタール大学が医療NGOであるPATHおよびワシントン大学と共同開発した「FoneAstra母乳低温殺菌ツールキット」は、低温殺菌プロセスを、携帯電話アプリを利用して段階を追って説明するもので、提供された母乳の追跡がより容易になり、品質管理および品質保証が向上します。電気が供給されていない環境での利用にも、対応可能です。早産児や出生時の体重が軽い乳児の25%は、主に病気や母乳の出が悪いために母親から十分な母乳を摂取できず、その結果、下痢や肺炎、新生児敗血症など、命にかかわる病気にかかりやすくなります。

ColaLife(ザンビア)- 37万ドル

最高賞金を獲得したもうひとつの組織であるColaLife(ザンビア)の受賞理由は、通常はソフトドリンクの輸送に利用される供給および配給ネットワークを利用して、農村地域に居住する家族に安価な下痢治療薬を供給する革新的な「Kit Yamoyo」(「Kit of Life」)です。下痢は全世界を通じて、5歳未満の子どもを死にいたらせる最も多い原因のひとつです。下痢は経口補水塩(ORS)と亜鉛を用いて簡単に治療できますが、サハラ砂漠以南のアフリカの子どものうち、この治療を受けられる子どもは1%にも達しません。

ColaLifeの低価格治療キットには、ORS 200mLパック、水量を正確に測るための容器、亜鉛錠剤10錠と石けんが入っています。このキットはコミュニティの医療従事者により僻地医療センターを通じて地域ヘルスワーカーが行い、研修を受けた現地の村ベースの小規模小売業者によって販売されます。小売業者は最寄りの町まで出向き、コーラや料理油、塩、砂糖などの日用品と同様の方法でキットを購入します。

Living Goods(ウガンダ)- 12万ドル

リビング・グッズの起業家モデルには、「エイボン」などの化粧品メーカーが利用する直販テクニックが反映されています。現地の医療当局と密接に連携して活動するコミュニティ・ヘルス・プロモーターとして知られる小規模起業家らが、フランチャイズ契約を結んで活動します。これらヘルス・プロモーターが戸別訪問をして健康改善方法を指導し、患者さんの診断や治療を行います。蚊帳や駆虫薬、抗マラリア薬、下痢止め、栄養強化食品、水の濾過器などのヘルスケア製品の販売も行います。

ナイロビ大学(ケニア)- 12万ドル

ナイロビ大学のコミュニティ・ヘルス・イニシアチブの受賞理由は、ワクチン接種を追跡する革新的なバーコード付きワクチン接種/母子健康カードで、母親への恩典として農業用品が割引価格で提供されされます。ケニアにおける5歳未満の子どもの死亡率は現在1,000人当たり71人[1]に上りますが、子どもへの予防接種はこの数字を下げる有効な手段と考えられています。このワクチン接種カードは新生児登録の際や、子どもや母親がワクチン接種を受ける度に、自動的に更新されます。カードが更新されると、母親はナイロビ大学の提携代理店が運営する、農業用物品販売店で種や肥料などの農業用品を割引価格で購入することができます。

2013年のアワードは、アフリカ、アジア、および中南米の下記の組織が受賞しました。

Friends of Sich Children(マラウイ)- 40万ドル

Friends of Sick Childrenは、マラウイのブランタイア市にあるクイーンエリザベス病院小児科、米国ライス大学のRice 360°:intsitute for Global Health Technologies、マラウイ大学医学部のパートナーシップによる組織です。この組織が開発した持続気道陽圧装置(bCPAP)「ベビー・バブル」は、呼吸障害のある新生児に有用であると実証されている装置の低価格版で、特に資源が不足している地域のために設計されています。

BRAC(バングラデシュ)- 30万ドル

BRACの「Manoshi」プログラムは、ダッカの都市スラムに住む女性と子どもにさまざまな医療サービスを総合的に提供するもので、3つの重要なイノベーション、すなわち、スラム地区に設置された安全で清潔な出産施設、救急医療へのアクセス、重要な患者情報を記録する医療従事者による家庭訪問によって構成されています。

MUSO(マリ)- 10万ドル

マリのMUSOが実施しているシステムは、医療を必要とする女性や子どもを、症状が悪化して深刻な状態に陥る前に、早期発見することを目指すものです。このシステムには、地域ヘルスワーカーによる戸別訪問と、地域リーダーとコミュニティ向けの研修・教育プログラムが含まれています。

Microclinic Technologies(ケニア)- 10万ドル

Microclinic Technologiesの「ZiDi」は携帯型健康管理システムであり、医療プランを作成する際により適切な判断を下せるようリアルタイムデータへのアクセスを可能にすることで、母子医療の質の向上を図るものです。ケニアでは現在、5,000 を超える医療施設で「ZiDi」が利用されています。

Kangaroo Foundation(Fundacion Canguro)(コロンビア)- 10万ドル

カンガルー・マザー・ケアは、早産児や新生児とその母親が早期から肌と肌を触れ合わせることを促すという、シンプルな技法です。母親が人間保育器の役目を果たし、子どもを温め鼓動を安定させます。

 


[1] 出典:世界銀行 http://data.worldbank.org/indicator/SH.DYN.MORT