GSKの高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補について米国FDA諮問委員会が有効性と安全性を支持

この資料は、英国GSK plcが2023年3月1日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先されます。
詳細はhttps://www.gsk.comをご参照ください。

<2023年3月1日 英国ロンドン発>

GSKの高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補について米国FDA諮問委員会が有効性と安全性を支持

  • 有効性データは全会一致で支持、安全性データは10対2で支持
  • FDAによる米国での承認は、2023年5月3日までに決定が見込まれており、初の高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチンとなる可能性
  • New England Journal of Medicine誌で発表された主要なデータに基づき、FDA諮問委員会が支持

GSK(本社:英国)は、米国食品医薬品局(FDA)のワクチンおよび関連生物製剤に関する諮問委員会(VRBPAC)が、60歳以上を対象としたRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス)を原因とする下気道疾患の予防のためのRSウイルスワクチン候補について、安全性と有効性データを支持する結果を発表したことをお知らせします。有効性は12対0の全会一致で、安全性は10対2で支持されました。

GSKのワクチン研究開発部門グローバルヘッドのフィル・ドーミツァー(Phil Dormitzer)は次のように述べています。
「RSウイルス感染症は、衰弱性疾患を引き起こす可能性があり、医療システムに大きな負担を与える疾患です。このたびのFDA諮問委員会による結果は、肺および呼吸器に影響を及ぼすRSウイルスに対して、世界初となるワクチンの提供に向けた重要な一歩となりました。米国では何千人もの高年齢成人がRSウイルスの影響を受けており、呼吸器疾患、心疾患、糖尿病などの基礎疾患を有する高年齢成人では、重度の合併症のリスクが高くなっています。本ワクチン候補の有効性が全会一致で支持され、GSKのワクチン候補のデータの強固さと公衆衛生に肯定的な影響を与える可能性について諮問委員会に認識いただけたことを喜ばしく思います。」

諮問委員会は、本ワクチン候補を裏づける頑健なデータパッケージに基づいて投票を行いました。これには、New England Journal of Medicine誌で発表された主要な第III相試験であるAReSVi-006(Adult Respiratory Syncytial Virus)試験の結果が含まれています。また、GSKは、米国感染症学会の年次総会(ID Week 2022)で発表された本RSウイルスワクチン候補と季節性4価インフルエンザワクチンの同時接種における良好なデータを発表しました。

VRBPACは、FDAの承認判断の検討材料となる勧告を行いますが、最終的な承認可否の決定はFDAが行います。2022年11月に、FDAは、GSKの高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補の生物学的製剤承認申請(BLA)を受理し、優先審査に指定しました。処方薬ユーザーフィー法に基づく審査終了目標日を2023年5月3日に設定しました。

GSKは、米国に加え、2022年に日本EUなど複数の国々の規制当局に本ワクチン候補の承認申請を行いました。2023年に決定が見込まれており、その他の国々での規制当局への申請は、本年も継続する予定です。

GSKの高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補について
GSKの高年齢成人を対象としたRSウイルスワクチン候補は、膜融合前型の遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原と、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせています。本ワクチン候補は、複数の試験を通して、概ね良好な忍容性と安全性プロファイルを示しました。最も多く認められた特定有害事象は、注射部位疼痛、疲労、筋肉痛、頭痛でした。これらは概ね軽度から中等度であり、一過性でした。GSKが所有するAS01アジュバントシステムには、Agenus社の完全子会社であるAntigenics社よりライセンス供与されたQS-21 Stimulonアジュバントが含まれています。

現在、世界で承認されているRSウイルスワクチンはありません。

成人におけるRSウイルス(呼吸器合胞体ウイルス、Respiratory Syncytial Virus)について
RSウイルスは、肺および呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスです。現在でも、成人に対するRSウイルスは、ワクチンや特定の治療法のない主要な感染性の病原体のひとつです。高年齢成人では、加齢に伴う免疫低下などのため重症化リスクが高く、基礎疾患のある高年齢成人ではより重症化するリスクが高くなります。RSウイルスにより、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、慢性心不全などの症状が悪化し、肺炎、入院、死亡などの重篤な転帰につながる可能性があります。先進国で毎年、RSウイルスによる成人の入院が47万例以上、死亡が33,000例発生しています1。日本では約57,000例の入院と4,000例の死亡原因となることが推定されています1。基礎疾患のある成人では、基礎疾患のない成人と比較し、受診する可能性が高く入院率も高くなります。

GSKは、サイエンス、テクノロジー、人財を結集し、力を合わせて病に先手を打つことを存在意義とするバイオ医薬品のグローバルリーダーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com をご参照ください。


1. Savic M, Penders Y, Shi T, Branche A, Pirçon J-Y. Respiratory syncytial virus disease burden in adults aged 60 years and older in high-income countries: a systematic literature review and meta-analysis. Influenza Other Respir Viruses 2022 November 11 (Epub ahead of print). [PMID: 36369772]. Accessed February 2022. Available at: Respiratory syncytial virus disease burden in adults aged 60 years and older in high‐income countries: A systematic literature review and meta‐analysis - Savic - Influenza and Other Respiratory Viruses - Wiley Online Library