GSKとサノフィ、オミクロン株による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するベータ株含有ワクチンの良好な有効性試験結果について初回報告を発表
この資料は、英国GSK plcが2022年6月24日に発表したプレスリリースの日本語抄訳であり、報道関係者各位の利便性のために提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語が優先します。詳細はhttps://www.gsk.com/をご参照ください。
<2022年6月24日 英国ロンドン発>
GSKとサノフィ、オミクロン株による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するベータ株含有ワクチンの良好な有効性試験結果について初回報告を発表
- ベータ株含有ワクチン候補の初回接種による有効性は、成人の発症予防において64.7%、COVID-19感染歴のある被験者に対して75.1%であった。
- これまでのシーケンス解析によるオミクロン株に対する有効性は、すべての成人で72%、血清陽性集団で93.2%であった。
- 概ね良好な安全性および忍容性プロファイルが示された。
- オミクロン株流行下では初となる有効性データは、ベータ株含有ワクチンの妥当性を支持する結果であった。
GSK(本社:英国)とサノフィは、6月24日、アジュバントを添加したD614株およびベータ株(B.1.351)の二価ワクチン候補が、臨床試験で良好な成績を示したことを発表しました。サノフィ–GSKのワクチンは、オミクロン株流行下におけるプラセボ対照試験で有効性を示した最初の候補ワクチンであり、安全性および忍容性プロファイルも概ね良好な結果でした。
サノフィは6月上旬、ベータ株をモデルとした抗原とGSKのパンデミックアジュバントを含む次世代ブースターワクチン候補を用いて行った2つの臨床試験で、候補ワクチンが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し良好な成績を示したことを報告しました。これらのデータから、サノフィ–GSKの候補ワクチンが公衆衛生上のニーズに適切に対応できる可能性があることが示唆されました。
18歳以上の13,000例を超える被験者が参加した第III相VAT08試験の第2ステージでは、サノフィ–GSKのワクチン候補の有効性は、COVID-19の発症予防において64.7%(95%信頼区間[46.6,77.2])、オミクロン株に対する発症予防においては(これまでに全121例中71例のシーケンス解析を実施)に対して72%(95%信頼区間[45.8,86.6])でした。
これまでのシーケンス解析に基づくサノフィ–GSKの候補ワクチンの血清陽性集団での有効性は、発症予防において75.1%(95%信頼区間[56.3,86.6])、オミクロン株に対する発症予防においては93.2%(95%信頼区間[73.2,99.2])でした。
また、サノフィ–GSKの候補ワクチンはVAT08試験(合計被験者数は約23,000例)の第1ステージおよび第2ステージを通して、概ね良好な安全性および忍容性プロファイルを示しました。
サノフィ ワクチン部門グローバルヘッドのエグゼクティブ・バイス・プレジデントであるトマ・トリオンフ(Thomas Triomphe)は、次のように述べています。
「本日発表した結果は、COVID-19の原因となる多数の変異株に対してベータ株抗原が幅広い予防効果を発揮する可能性が高いことを示す内容でした。私たちのベータ株ブースターワクチンの免疫原性データは、世界の人々の多くが血清検査陽性である現在において、次世代のベータ株ブースターワクチンがオミクロン株などの変異株に対する予防効果を発揮しうるという私たちの考えを裏づけるものです。mRNAワクチンは短期間で利用可能になりましたが、私たちの遺伝子組換えタンパク質プラットフォームが全世界で発揮しうる有効性を示しました。今後、各国の規制当局に承認申請を行い、私たちの次世代ブースターワクチンを用いて実施中のワクチン接種キャンペーンに貢献する準備を整えております。」
GSKグローバルワクチンのプレジデントであるロジャー・コナー(Roger Connor)は次のように述べています。
「これらの良好なデータは、私たちのアジュバント添加タンパク質ベースの二価ワクチン候補が、オミクロン変異株が流行している環境下において有効であることを示しています。私たちの候補ワクチンは、パンデミックの更なる進行に際しても、公衆衛生上、重要な貢献ができる可能性を有しています。本候補ワクチンの今年後半での承認を目指し、私たちは規制当局と協議してまいります。」
これらの取り組みは、W15QKN-16-9-1002の契約の下、米国保健福祉省の事前準備・対応担当次官補局の一部門である米国生物医学先端研究開発局のフェデラルファンド、および、米国国防総省の化学・生物・放射性物質・核防衛統合計画事務局ならびに米国国立アレルギー感染症研究所(NIAID)の支援を受けています。NIAIDは、HIVワクチン試験ネットワーク(HVTN)リーダーシップ・オペレーションセンター(UM1 AI 68614HVTN)、統計・データ管理センター(UM1 AI 68635)、HVTN検査機関(UM1 AI 68618)、HIV予防試験ネットワークリーダーシップ・オペレーションセンター(UM1 AI 68619)、エイズ臨床試験グループリーダーシップ・オペレーションセンター(UM1 AI 68636)、感染症臨床研究コンソーシアム(UM1 AI 148684、UM1 AI 148450、UM1 AI 148372、UM1 AI 148574)に対して無償で資金の提供をしています。
GSKとサノフィの協働について
両社の協働において、サノフィは遺伝子組換え抗原を提供し、ワクチンの製造販売業者となります。GSKはアジュバントを提供しており、いずれもインフルエンザに対し効果が実証され、既に確立されたプラットフォームを使用しています。
GSKについて
GSKは、科学に根差したグローバルヘルスケアカンパニーです。詳細情報はhttps://jp.gsk.com/をご参照ください。